• "古川"(/)
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  1. 仙台市議会 1999-09-30
    平成10年度 決算等審査特別委員会(第12日目) 本文 1999-09-30


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                 ※会議の概要 2: ◯委員長  ただいまから決算等審査特別委員会を開会いたします。  それでは、これより全議案に対する総括質疑を行います。  グローバルネット仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。             〔柳橋邦彦委員、質疑席に着席〕 3: ◯委員長  発言を願います。 4: ◯柳橋邦彦委員  きのう、ISOの14001番、おめでとうございました。  ISOの認可を取るということは、これから仙台市が進むべき──環境の先進都市を目指そうとする市長の一つの大きな意志のあらわれということで、いろいろ努力のかいがあって、それがめでたく認可になる。大変よかったことだと思っております。  私は、普段の活動の中で、市民に、仙台を訪ねてこられた方に、あるいは単身赴任で来られた方にお会いして、仙台のまちは住みいいかという話をすると、ほとんどの人は、仙台は住みよいと言うわけなんです。どんなところがいいんだと言いますと、中心部から30分で海、山、日帰り、あるいは緑の環境、人の優しさ、さまざま、そういった点で大変住みよいという評価をいただいているようなんでございます。じゃ、何か不都合あるいは住みにくい点はどうなんだと言いますと、考えて、交通問題ですねということが大方の答えなんですね。しかし、今議会を通して、交通事業管理者等々からお話がありましたように、これからの努力、しかも成果のあらわれるような努力が見受けられるというようなことで、評価をしていけるなと、新しい世紀に向かっていけるなと、こういう感じがひしひしするわけですけれども、ここにあるデータがあるんです。これはちょっと古いんです、おととしの10月のデータなんですが、全国692都市のランキングという本があるんですけれども、それを調べてみたんです。  「成長度」と「豊かさ」と「暮らしやすさ」という大きな項目で調べてみました。私は、仙台は成長度はすばらしいんだろうと思って、692都市の順番をずっと見ていったら、159番目なんですね。名取市が27番目で宮城県の中では一番高い。これは、人口とか、いろんな成長がすごくあるということなのだろうと思うんですけれども、豊かさというのはどうなんだろうと思って調べたら、これも仙台を探すのにすごい時間がかかる、485番目なんですよ。暮らしやすさというのは何番目かというと、これもずっと探しても、宮、宮、宮と探すわけですが、宮崎は出てきても、宮城が出てこない。519番目にようやく仙台市が出てきた。どういうことなんだろうかと。データは、これは日本統計センターというところに調べさせて、ダイヤモンドという雑誌社が出した、それなりの客観性を持っているんだと思うんですけれども、住んでいる人と客観的に見たときの差が大きいなと。2年前ですから、この2年間で市長が物すごく努力して、ことしあたり出るものは、恐らく番手が物すごく上がっているだろうと期待しているんですけれども、その三つの平均をとって、全国692の都市の中で、実は、宮城県で全体の50番ぐらいに入っているところが一つだけあるんです。古川市なんですね。こういうデータもあるんだということを一つ前提に置きながら、いろいろとこれから進めていきたいと思うんでございます。  いろいろ最終場面になりました。今定例会を振り返りまして、やっぱり当初の予算と決算の間にはさまざまな宝物が見えるなと思うんです。全体的な印象をまず申し上げますと、私たちの質問に対して、御当局の方のお答えに不満が少し残る。それは何かといいますと、決算ですから、当然ながら決算の内容についてお聞きをするので、経過の説明であるとか状況の説明であるとかに多少ウエートがかかるというのはよくわかります。わかるけれども、私たちがせっかくいい質問をしても、どうも目標の日時あるいは目標値の設定とか、そういうことがなかなか出にくい。決算だからということもあるけれども、しかし、出にくい。したがって、工程管理であるとか日程の管理というのが出てこないから、具体性に乏しいという全体的な印象が今回はあったような気がするんです。やっぱり必要なのは、決断であったり決意であったり、こうしたいとか、ああしたいというようなものの響きが全体的に伝わってくるといいんだがなという印象を実は受けました。  それで、今も申し上げましたように、前向きな質問が出ても、こうやりました、ああやりましたということはあっても、こうしたい部分がなかなか出てこない。それが検討するという言葉であらわされてしまうわけです。我が会派の佐藤正昭委員から、検討するというのは、役所の言葉として多いけれども、これはどういう意味だと。結局、検討はするけれども、やらないんじゃないのかという話が、以前、この委員会であった。御当局のそのときの答えは、これは冗談半分だけれども、じゃ検討しますと。いや検討するというのはまずいから何とかしろと言ったら、そのことについてよく検討しますとは答えなかったけれども、検討するということが少し多過ぎたんじゃないのかなという感じがしているんです。もちろん、何度も言いますけれども、決算ですから、これが妥当であるかそうでないかを審査をするわけですから、それが主点であることは当然であります。しかし、同時に、あしたへの期待といいますか、それが常に背中合わせになっているものですから、その期待部分に対するお答えをぜひ賜りたかったと思うんです。  それから、私の代表質疑に対しましても、全く答えない部分がある。答えないということで答えていると、こういうのはわかりますけれども、それにしても、例えば、この市庁舎を向こうへ持っていきたいなどという話を提案しても、それに対して全く答えがない。こっちは希望的にお願いしていて、これは答えは来ないだろうなと思いながら、しかし、ぜひ市長の感想が欲しい、何か期待がある。やっぱり答えない。そして、財政局長が、あのときに、お金がかかって大変だと、これは何か積み立てでもしてやらないと多分だめだから、当分だめでしょうと。それはわかっている。わかっているけれども、音楽堂に代替するああいったものに対しては、市長の大きな夢があったはずだと。それがよくわからない事情の中で延びていくということに対して、何か不安だな、あるいは不満だなという思いがそこにあるわけです。その辺についても、少し具体に、あるいは提言的に、あるいは積極的にという形でお答えが欲しかったなと思うのであります。  10年度の総括所見を私は市長に求めたわけでありました。実は、その答弁書がここにあるわけですけれども、ずっと繰り返し繰り返し何度も答弁書の内容を検討いたしましても、経過の説明と、状況はこうであったという説明にどうしてもなっている。私は、言葉として言ったのに誤りはなかったかということと、市長の信念に照らして、何か正しい成果となったかということを言葉で聞いている。それは、そのとおり、いや誤りましたとか、いやこういう成果を出しました、どうだ参ったかという答えは何も期待していないのであって、ここはこうすればもっとよくなったかもしれない、それから、ここはこうだから評価していただいてもいいのではないかということが、成果としてあったんだというようなことを全体ににじませるような、そういうお答えが必要であったというわけで、この決算特別委員会、そして本会議を通しての、今日までの全体の流れを通しながら、市長の最終所見というものをお伺いしたいと思います。 5: ◯市長  平成10年度の決算につきまして、今日までさまざまな御提言をちょうだいしたり、また、さまざまな問題点等々もちょうだいしたわけでございますけれども、私どもは、それらの御提言や御意見を十分に踏まえた上で、直ちにできる可能性のあるものにつきましては、来年度を待たずに実行すべく、各局長等に対しまして指示を与え、対応しようというつもりでおりますし、また、そのほかの事業等につきましては、これは私の政策判断も加えまして、今後の予算の編成の際に、十分に取り上げて、その実現に向けて努力をしてまいりたいと、このようなつもりでおるところでございます。 6: ◯柳橋邦彦委員  今回いろいろありました。財政の問題、それから総合交通対策、アクセス30分を通しての交通事業、あるいは介護の問題、それから廃棄物処理、教育の問題、さまざま山場はあったと思いますけれども、介護保険導入前夜、高齢者対策について一言お伺いをしたいと思うのであります。  この決算委員会において、敬老乗車証の問題とか、それから介護手当の問題といった質疑があったわけですけれども、非常に急速に社会が進展する、あるいは少子化、高齢化がすごく速く進んでいくという中での介護保険制度の創設でありますけれども、社会というのは今大きな転換期にあると思います。この時代に沿って、いろいろ整えなければならない。高齢者というのは、今まで、さまざまなところでさまざまなように、この課でこのように、あちらの課でそのようにというふうに、余り整合なくそれぞれ懸命におやりになってきた。全体的に見ると、それが少しばらばらになってきているのではないかと。こういう時期に、そういったものを整合しながら、高齢化に対する、高齢者に対する施策というものが、これからは整えられていかなくてはならないというか、時代的な要請がそこにあるなというような感じがするわけです。  そこで、さまざまな従来事業といったものの評価を含めて、曲がり角に来ている高齢者対策に対して、それをどういうふうにこれから整合性を持って全体的に進めようとしておられるか、これも市長にお伺いしたいと思います。 7: ◯市長  おっしゃるように、今日、少子・高齢化を初めとして、時代は一つの曲がり角に来ておるところでございます。とりわけ、高齢化に対応した今後の施策のあり方につきましては、大きな意味での、大局的な再検討の時期に来ているということは、私も十分に認識をいたしているところでございます。  これまでの高齢化施策につきましては、それぞれの時代、それぞれの時期において、必要な施策として今日まで続けられ、また、一定の評価も得られるような状況にあったかと思いますけれども、それを単に見直しすることなく続けていくことがいいのかどうか、そういうことも含めて見直しも必要であろうと。加えてまた、これから先の新しいニーズもあろうし、また、現在行っている施策の中でさらに充実をすべきものもあろうと。こういうことも含めまして、高齢者施策ということを、今後、新しい観点から総合的にこれを構築していく時期がもう来ていると思いますので、それらに向けまして、直ちに取り組んでいきたいというふうに思っております。
     幸いにして、今、高齢者保健福祉計画の大改定をいたしているところでございまして、先般、その中間報告を受けましたが、その中で取り込みまして、ただいま私が申し上げましたような中身の大枠の決定をし、そして施策の具体化を図っていきたいと考えます。 8: ◯柳橋邦彦委員  惜しむらくは、市長のそのお答えを受けた中で、例えば、敬老乗車証などについてのお話し合いが出てくれば本当はよかったのかなと私は思っております。  次、環境に移ります。松森の問題ですけれども、我が会派の郷湖代表幹事の方からの質問ですけれども、環境局長ね、大変不満でした。自分たちが当事者であるという意気込みがどうも伝わりにくかった。もっと自信を持ってやってもらいたいと思うんですよ。  実は、仙台というのは、大都市の中では特筆するぐらい、ごみ、その他のものについてはすばらしいデータがあるんですよ。例えば、リサイクルプラザってありますね、大盛況ですよ。それから、ごみの対策のきめの細かさなどいうのは、例えば、集団回収の団体数は幾らあると思いますか。1,184件ですよ、子供会が中心ですけれども。しかし、そういうシステムを持っておられる。それから、瓶、缶といった資源ごみの回収だって、清掃公社ですか、ああいったところと手を組みながら週に1回きちっとやっておられる。それから、学校給食とか病院の残飯、これは養豚業者の方々が集められていくわけです。91年度、今から10年前には1万1000トンという大きな量を引き取ってもらっていた。このごろは、養豚業者の数が多少少なくなってきましたら、それが半分ぐらいになってきました、6,000トンぐらいになってきましたけれども。  それから、資源化率は、3年前は13.7%、3年後の今は16.9%、もう17%ですよ。市長は30%を目指しています。この間、市長が行かれたヘルシンキは55%だ。そこまではなかなか無理にしても、それだけのことをやっていて、トータルとして、政令指定都市の中で仙台市は何番目ですか、2番目ですよ、客観データで。そういうことを立派にやっておられるんですから。今私が言ったことは、日本経済新聞社の「都市」という本のデータにちゃんと出ていますよ、客観的に出ている。ですから、よく頑張っていると思うんです。遠慮なさっているのかどうかわかりませんけれども、そういったことがどうも伝わってこないんですよね。  ですから、松森についてもどうもずれがある。これは、17年度初めからの稼働を目指すという一つの日程目標があるんじゃないですか。この日程をなぜはっきりしてくれないんでしょうかね。例えば、この間見て、いすから転げ落ちるぐらいびっくりしたんですけれども、ある業界紙──新聞ですけれども、それに、大見出しで、ことし中に機種を選定すると出ているんですよ。それは私は聞いていないんだけれども、そんなことが実際あるのかどうか。環境局がそうしたいなというのでリークしたのかもしれませんけれども、そのぐらいのペースでやりたいという思いがあるんだったら、そういったことをきちっと言ってもらいたいなという感じがするし、それと、来年当初の予算に組むんでしょう。そのときに、これは補助事業でしょうから、お国の方での見通しはどうなのかということもやっぱり言ってもらいたい。  それから、もう一つは、これについて、大事なコンセンサス、市長がおっしゃったコンセンサス。これは、ハードのコンセンサス、建物を建てていくための合意形成、それからソフトコンセンサス、いわゆる理解を進めていくための合意形成、こういったものの日程なども、できたら、この際、局長に示してもらいたいんですが、いかがですか。 9: ◯環境局長  まず、第1点の機種の選定の件でございますが、新松森工場建設計画につきましては、年度内の早い時期に、焼却方式発注方式について決定をいたしまして、施設の仕様や積算に係る資料の準備といったことを進めながら、本年度の末までに整備計画を国へ提出いたしたいと考えております。したがいまして、これらの手続を踏まえますと、国庫補助の内示を受け、その後に発注ということになりますので、機種が具体的に決定いたしますのは、平成12年度中になるものと思っております。  それから、次に、今後の工事着手までのハード面スケジュールということでございますが、今後の工事着手までのスケジュールでございますが、本年度中に、補助申請等に必要な事務的な手続を進めますとともに、用地の引き取り、それから農業用排水路のつけかえ、あるいは仮設防災調整池の設置等の関連工事を行う予定といたしております。平成12年度につきましては、用地の基本造成工事を行いますとともに、工場本体の建設に着手していきたいと考えているところでございます。したがいまして、工場建設の着手の時期につきましては、契約手続等を考慮いたしますと、平成12年度末ごろになると考えておるところでございます。  それから、ソフト面の日程ということでございますが、新工場の建設に関しましては、本年6月以降、建設用地隣接町内会や周辺の町内会において事業の説明会を12回、それから鶴ケ谷、松陵の二つの地域において環境影響評価の説明会を開催いたしますとともに、地域で行われました4回の勉強会への職員の派遣等によりまして、計18回の説明の機会を設け、建設事業の必要性あるいは工場のダイオキシン対策、それから本市の、先ほど御指摘がございました、ごみ減量リサイクルへの取り組み等について、的確な情報の提供を行ったところでございます。こうした取り組みによりまして、地域住民の皆さんの一定の御理解をいただくことができたと考えておりますが、さらに御理解をいただくべき地域が若干ございますので、10月の上旬にそうした地域での再度の説明会を開催することといたしております。また、今後とも、必要に応じまして、地域における勉強会への職員の派遣等に対しては対応してまいる所存でございます。  なお、地域住民の事業に対する理解の度合いにつきましては、このような説明の場などの状況を踏まえまして、総合的に判断をしてまいりたいと思っております。 10: ◯柳橋邦彦委員  ぜひその日程どおり進むように期待をしているわけでありますけれども、実は、28日ですから、おとといですか、政府でダイオキシン対策関係の閣僚会議が催されたニュースが出ております。これは、国のごみ減量化目標として、一般廃棄物について、国でその排出量の削減、リサイクル率の向上、それに伴う焼却量の削減といったことについての数値目標が設定されたんですね。そうすると、目標設定が国において示されたわけでありますから、これによる影響を私たちは受けないわけにいかないというふうになってくるわけです。そこで、松森の新工場にどういうふうにそれが取り込まれていくのかということは、これは決算とはちょっと離れますけれども、しかし重大関連事項ですので、あえて市長の方へそれをお伺いしたいと思うんです。いわゆる新工場の施設に関して、国において定められた数値目標が影響するということはどうでしょうか、どのようにお考えでしょうか。 11: ◯市長  おととい政府の方で発表されましたごみ減量化目標についてでございますけれども、これについてはただいま分析中でございます。少なくとも、リサイクル率の目標について見ますときに、24%ということでございますので、私どもの30%の方が国よりも上回っているということが言えようかと思いますけれども、しかし、排出抑制の面で見ましたときに、国の数値がかなり大きくなっております。この数字を見ますときに、恐らくは、これから国において新たな法制度の創設がぜひ必要になろうというふうに見ているところでございます。政府の計画につきましては、まだ不明な点がたくさんございますけれども、今後、新たな情報を入手するなどいたしまして、より詳細な検討を進めることにしたいと思いますけれども、おっしゃるように、現在、指示しておりますごみの減量、リサイクル施設の具体化とあわせまして、新しい工場の施設規模につきまして、さらに吟味が必要であろうと考えているところでございます。 12: ◯柳橋邦彦委員  わかりました。  次に、私は、代表質疑の中で、市長の21世紀型都市に対する基本理念ということでお尋ねをさせていただきました。新しい世紀を迎えて、仙台市が、何を中心として、何を中核としてよく生き残っていくのか、よりよいまちになるのか、どういうまちになるのかということは、やっぱり大きな関心事であるし、どうしてもここをこの総括の中で一度押さえておきたいなと。  何度も何度も同じような繰り返しの私の方からの質問で、特に、コンパクトシティについては飽き飽きするぐらいなんですが、市長との見解をどうしてもここで一致しておきたいという感じがありますものですから、御容赦いただく中で、21世紀型都市の構築に関する基本理念という部分で尋ねたことについて、お答えをいただきたいと思うんです。  市長は、今回の答弁書ですけれども、「今日の時代的パラダイムの変換に対応することを土台といたしまして、理想的な都市形態として、軌道系交通軸を基軸とするコンパクトシティは、交通機能面での利便性に加えて、住みやすい環境やコミュニティーにも着目をし、都心居住の確保や既成の住宅地の改善を含めた、自立的な生活圏の形成を図る質の高い都市づくり、これがつまりコンパクトシティである」と。しかも、「これを市民ともども追求してまいりたい」ということをおっしゃっておられます。これだけ見ても、何度読んでも、わかる部分とわからない部分があるんですが、ちょっと細かいことから入りますので、先に都市整備局長の方に二、三お伺いをして、それから市長の方に最終所見を求めたいと思うんですが、ここにある、住みやすい環境というのをどのように考えておられるんですか。企画の方ですか、じゃ企画局長、お願いします。 13: ◯企画局長  ここで言う「住みやすい環境」とは、委員が冒頭おっしゃられたような、都市において、自然環境に配慮したゆとりと潤いのある生活空間が一方であり、もう一方で、良質な都市的なサービスを手軽に享受できるような状況もあると。こうした両面を備えた環境について、仙台市はその部分を特色として大きく持っておりますが、それをさらに進めていくという意味で、住みやすい環境という形で表現したものでございます。 14: ◯柳橋邦彦委員  それはそういう概念だということでよろしいかと思うんですけれども、それでは、次のところに、「コミュニティーにも着目をする」と。では、着目すべきコミュニティーというのは、どういうコミュニティーを指しておられますか。 15: ◯企画局長  着目すべきコミュニティーとしては、これまでの町内会を初めとする地縁的コミュニティーに重きを置いて注目すべきことは、まず第1位でございます。それに加えまして、最近いろいろな分野で出てきている、例えば、福祉や環境、教育等、そうしたさまざまな分野において生じてきている新しい形のコミュニティーにも注目すべきものと考えているところでございます。 16: ◯柳橋邦彦委員  町内会は、今回も話題になりましたけれども、なかなか大変なんですよね。町内会というのは、やがてまちづくり活性化委員会に転じていきますよ。つまり、そこに住んでいる人がどういうまちづくりをしたいのかということが一番ですから、いろいろみんなで考えながら、自分のコミュニティーを考えていくというふうにだんだんだんだん変わってきているんですね。ですから、地縁というものに頼っていったのでは……、地ではなくて、知の方だったら、そういうノウハウを持っている人たちを集めていく知縁ならわかりますけれども、土地の地縁ではなかなか結びつきがなくなってきますよ。その辺のコミュニティーのあり方については、これからうんと論議していかなければいけないと思います。  時間がないものですから、詳しいことをやりたくてもできないんですが、都市整備局の施策が、今まで外延的に延びていたものを中心の方に持ってこようというふうにシフトしているのではないかという感じがあるわけですけれども、このときにおける都心居住、これは、公的住宅がどうのというような部分でこの前もここで話題になりましたですね。都心居住の確保策をどのようにお考えでしょうか。 17: ◯都市整備局長  具体的な都市づくりのことでございますので、私の方から御答弁申し上げます。  都心居住の問題の背景というもの──近年の都心部における居住環境の低下、あるいは地価の上昇、これは今は下がっている部分もございますけれども、こういった背景がございまして人口が減少してまいったわけでございます。これまで形成されてきましたコミュニティーも衰退していくというようなこともあわせてあったわけでございまして、都心居住自体の魅力といったものが薄れてきたということを、私どもは十分踏まえる必要があるのではないかと考えておるわけでございます。  したがいまして、都心居住の確保策ということにつきましては、単に住宅の問題ということだけにとどまらず、やはり魅力の創出という面で、緑ですとか、あるいは景観などの魅力ある住環境の創出でございますとか、あるいは都市計画的な手当てとしては、都市計画上の問題がございますけれども、用途地域とか容積率の問題でございます。さらには税制上の問題、また、先ほど申し上げましたコミュニティーのことでございますとか、これの再生の問題、こういったことなどを総合的に取り組みの中で進めていかなければならないのではないかというように考えております。 18: ◯柳橋邦彦委員  そうなんですね。しかも、これは技術的にいろんな規制があるから、それを考えていかなければならないし、時間もかかわるわけですよね。本当に都心に人を集めたいと思うのなら、その施策は、人に住まわせるためには、これは茶飲み話と思って聞いていただいていいんですけれども、例えば、商店街なんかは、一番丁などは道路を3階建てにして、1階は車と人を自由に行き来させて、物と人と情報を。2階はショッピングアーケードにして、2階にみんな商店街をつくる。3階以上はマンションにして、そのレジデンスが3階は公園道路にして、そこに出入りするというような発想をしていくのには、さまざまな今までの規制がありますね。そういったことを一つ一つやっていく。人が住みたい、集まりたい、刺激を受けたい、みずからの資質を高めたい、出会いたい、そういう都市の魅力といったものを高めていくための施策は時間がかかるし大変だと。その辺、先々のことを考えながら、多少大ぶろしきだっていいですよ、今々やらなければならない問題がたくさんあるのはわかりますけれども、市民を巻き込みながら、そういう論議もぜひ都市整備局の方でやっていただきたいなという思いがするんです。  それで、もう一つここであるんですけれども、「自立的な生活圏の形成」というのがありますね、自立的な生活圏の形成。ここは重なるかもしれませんけれども、「自立的な生活圏の形成を図る質の高い都市づくり」となっているわけですけれども、このあたりは、どういうふうな御見解を持ってこの文言をつくられましたか。 19: ◯企画局長  ここで自立的な生活圏という言葉を用いましたのは、ほかの都市などではいろいろな使われ方がいろいろな場面で行われているようですけれども、ここでは、身の回りのものがすべてそれぞれの地域で完結するという、いわゆる自己完結型の生活圏を指しているものではございませんで、私どもの方で使った意味としては、それぞれの地域が持っているその地域の個性を大切にして、それぞれの地域がその機能を補完しながら、地域が連携し合うという意味での生活圏、そうした生活圏をイメージするという形の言葉として使っております。 20: ◯柳橋邦彦委員  市民の生活が、歩くか自転車かで行ける範囲で、せいぜい500メートルぐらいの単位の中で、その中で全部のものが済むというようなものが、実は私の頭にあった一つのコンパクトシティのあれでもあるんだけれども、ちょっと期待していたのとは違うので、そのことはまた後でやりたいと思います。  市長に、どうしても最後に一つ聞いておきたい。「21世紀の理想的な都市形態として、軌道系交通軸を基軸とするコンパクトシティ」と、ここのお話を一つ聞いておきたいなと思うんです。実は、コンパクトシティ、市長がおっしゃられたちょうど去年の秋ぐらいに、神戸でコンパクトシティというシンポジウムをやっているんです。同じコンパクトシティが偶然出てきたんですけれども、これを詳しく読みますと、仙台で言っているコンパクトシティと神戸で言っているコンパクトシティでは、どうもコンパクトシティの意味が違う。それから、コンパクトシティというもののさまざまな文献、今、いろいろ言われていることを見ても、コンパクトシティという言葉の概念はあるけれども、具体性がよくわからない、こんな感じがするんです。まず、市長に、市長が今までイメージしてこられたコンパクトシティ、これを20世紀の理想の形にしたいというわけですから、そこの部分をちょっと御説明いただきたいと思うんです。 21: ◯市長  これまでの都市づくりの基本的な方向性といいますか、それは、人口が増加をするという前提の中で、スプロールをどうして抑制していくかとか、さまざまな対応が図られてきました。しかし、今日の成熟社会を迎えるに当たりまして、その方向性に対する反省をどうしてもせざるを得ない。新たな都市づくりの理念を持たなければならないし、また、当然のことながら、新しい方向性を表現するようなコンセプトも必要であろうということで、外延的に限りなく拡大をしていくことのアンチテーゼとして、もう一つ、軌道系の交通機関を一つの基軸として、それを、都市づくりを誘導する一つの大きな要因としてまとまりのある都市構造をつくっていく必要があろうと、こういう大ざっぱな理念の中でのコンパクトシティのとらえ方をしているわけでございます。 22: ◯柳橋邦彦委員  今までそういう形で進んでこられたということなんですけれども、例えば、軌道系交通軸を基軸とするコンパクトシティというよりは、本当は、公共交通優先を考えたコンパクトシティというふうに、軌道系と限らないで、公共交通を考えたというふうに言葉を置きかえた方がいいと私は感じているんですよ。  それから、自動車依存脱却というお話がときどき出てくるわけですけれども、ここまで外延的に延び切ったまちをにわかにコンパクトシティとして中央に集めようとしたりなんかするときに、果たして市民の理解が得られるか、支持が得られるかといったら、極めて難しいんじゃないのかなと。そのときに、強制的に車を入れないようにする方策というのが本当にあるんだろうかというようなことも考えますと、なかなか難しい。だから、公共交通を優先することよって、それに誘導していくという形のものを何としてもここでやらなければならないのでアクセス30分が出てきたということならば、順序立ててわかると。ところが、今、東西交通軸を抱えているものですから、どうしても軌道系にとなりますと、例えば、荒井の方に新たな住民の固まりをつくっていこうとするのは、これは外延的に延びていっていることではないのかなとちょっと思ってしまうんですよ。そういうことで、中心に集める施策というものをもうちょっと出しながら……、この間、いみじくも都市整備局長は大変いいことを言ってくれたと思うんですけれども、LRTの話になったときに、骨格はこうであるけれども、しかし、やがては環状方向にもそういったものを考えていきたいと。その中に、市長の思っておられるコンパクトシティができ上がっていくのかなと。そうなると、すごく話は整合してくるなと思って、ちょっとほっとしたところがあるんですけれども、そこのところの話がうまくまとまらない中で、そういった概念とか観念とかというものがずっといくと、私にとってはわからなくなってくるというのが、今回の質問の要諦であるわけなんです。  今、日本のコンパクトシティと言い出したのがたくさんあるそうなんですけれども、どこもここもそれぞれのコンパクトシティを想像しているわけであって、全体として、コンパクトシティというのは何だということは、実は固まっていないんだという説もあるわけですね。それだけに、仙台市が目指す21世紀のコンパクトシティというものは市長のお好きな言葉で、パラダイムの変換というのがありますね、要するに、お手本になるのがなくなったから、お手本がないから新しく考えていこうということなのでしょうけれども、だったならば、そう認識なさるのであれば、パラダイムの変換は我々が行えばいいと。ここに、コンパクトシティの、仙台市としてのまことにいい環境が素材としてあるわけだから、ここで本当のコンパクトシティを演出していけばいいと思っているわけなんですよ。だから、神戸のまねをする必要はない。どこどこのまねをする必要はない。仙台型のコンパクトシティというものをつくっていけば、私は、世界に十分通用する、国際化などとあえて言わなくとも、黙って人が向こうからやってくる、こういう都市ができ上がっていくのではないかなと思うんですね。  まちというのは、あらゆる環境に配慮された施設を整えながらいくと。これから環境というのは大事ですよ、あらゆる意味で環境というのは大事ですよ。それと、一番大事なのは、環境とともに情報ですよ。この情報都市をどうやってつくっていくか、ここのところの積み上げをぜひ御研究いただきたいと私は思うんですね。  それから、決算全体を通して思うことは、ぜひ役所の皆様方にも思ってもらいたいのは、お互い日々汗を流していくんですけれども、やれた仕事、ここまで成果を上げた仕事というのがそれぞれあると思うけれども、ここまでならだれでもできると思っていただきたいんですよ。ここから先が知恵の出しどころだと。ここまでならばだれだってできるんだというふうな気概で仕事に取り組んでいただきたいと思うんです。  それで、まちづくりの概念に戻りますけれども、神戸のときにも言われた……、市長は英語の単語をよくお使いだから、サステイン(sustain)という言葉を御存じだと思うんですけれども、持続する。サステイナブル(sustainable)というのは持続可能なということですね。最初、私はわかりませんで、コンサイスを調べたら出ているんですよ、これが。何と出ているかといいますと、「環境を破壊しないで、資源開発ができる」とちゃんと訳語として出ているんですね。これにシティをつけてサステイナブルシティになれば、環境を破壊しないで資源開発のできるまちづくり、このことをサステイナブルシティと言うんだというんですよ。なるほど、そこで指パッチンと。コンパクトシティとサステイナブルシティが合体すれば、これは、市長の目指すべき、いやいや、市長が目指してきた、あるいは目指そうとなさっている市の概念、仙台市の行く末について、非常にあってくるものがあるなと。  市長、最後に一つお伺いしますけれども、コンパクトシティというものを、こういう概念だ、ああいう概念だという……、都市整備の方でも、多分、人によって、こういうふうに考えたら、ああいうふうにと、企画の方でもこうだああだと言っている中で、市長が、キーとして、パチンと一つ、コンパクトシティというのは実はこうなんだと、わかるようなことを一言で言っていただけないでしょうか。難しいかもしれませんけれども。 23: ◯市長  従来の都市づくりの概念といいますか、それを転換するキーワードとして、コンパクトシティという用語を用いたということでございます。 24: ◯柳橋邦彦委員  それならわかるんですよ。まちづくりは今、転換期だと。だから、キーワードとしてコンパクトシティというのがあるんだと。だから、これを中心にしてこれからまちづくりを進めていこうというのならわかるんです。ようやく腑に落ちた感じがするわけですから、どうぞそういうことで進めていっていただきたい。  それから、市民参加のまちづくりということについて、最後にちょっと一言だけ。市長の、市民参加あるいは市民とのパートナーシップについて、一つだけお伺いをしておきたいと思いますが、市長の考えておられる市民参加、それから市民とのパートナーシップ、今回の議会でもいろいろ話題になりました。一つお願いします。 25: ◯市長  市民とのパートナーシップのこれまでの方式といいますか、歩みを見てきましたときに、市政に対しての市民の意見あるいは考え方を取り入れていくという、市民参加というあたりから出発をいたしまして、市民自身が、審議会や懇談会、またさまざまな直接的な場において意見を申し、あるいはまた市政に参画をするという市民参画の過程を経て、今、自立的に、市と対等の立場に立って、NPOのような形でまちづくりに参加をするというあたりにまで高まってきていると思いますし、これからは、そういう意味において、対等の立場で、そしてまた、協働の立場でまちづくりをしていく方向にさらに成熟をしていくというふうに考えておるところでございます。 26: ◯柳橋邦彦委員  その際、行政のツケが市民に回らない、いわゆる責任転嫁をしないという形にぜひしていただきたいと。つい、参加とか、パートナーシップをやったときに、向こうへ責任が転嫁しては困りますから。つまり、都市はだれのためにあるのかということをぜひお考えの上で進めてもらいたい。  それから、制度がない。市民の意見を吸い上げるルール、制度がまだできていない。そういうところをぜひお考えになって制度づくりをしないと、意見を言ってもらう機会はつくっても、それがうまく行政に反映される制度がない。ここのところが研究課題ではないかと思いますので、そこらに意を用いながら、都市は一体だれのためにあるのか、この辺を考えて、都市づくりにぜひ邁進をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしながら、総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。 27: ◯委員長  自由民主党・市民会議から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。            〔大泉鉄之助委員、質疑席に着席〕 28: ◯委員長  発言を願います。 29: ◯大泉鉄之助委員  私は、今回もまた総括質疑に立つ機会を得ることができました。9月1日に始まりまして、きょうまで30日間、延々1カ月間、前年度の決算を中心に今議会は論議が展開されてまいりました。その間、多くの同僚が真摯な立場で質疑をし、また、提言をいたしてまいりました。私もこの定例会をずっと聞かせていただきながら、またその論議に加わりながら感じてまいりましたことを、4点に分けまして、この場で伺わせていただきたいと思います。  その一つは、決算議会そのものについて、二つ目は人事について、三つ目は行財政改革について、これは、とりわけ総務費のところで私は論議をさせていただきました。求めるものが返ってこなかったうらみを実は覚えておりますので、もう一度繰り返しやらせていただきたいと思っております。さらに、地域の経済のありようについて、この4点について伺わさせていただきたいと思います。  まず最初に、この決算の議会でありますが、御案内のとおり、地方自治法第233条その3項において、「普通地方公共団体の長は、前項の規定により、監査委員の審査に付した決算を監査委員の意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければならない」と、このように定められております。  かつて、監査委員というのは、どちかというと、仙台市の役所の機構の中では目立たない存在でありました。最近は、マスコミに取り上げられることも大変多うございますし、訪問される方も多いやに見えて、テレビの画面などに監査事務局の方がよく登場いたしたりするようになりました。本当に大変な御苦労をされておるということを知るものの1人として、その御労苦を多とし、ますます御健勝で職務に当たられますように期待をさせていただきたいと思うわけでありますけれども、私は、監査委員の努力というものがどれほど市政の中で生かされているのかなということについて、少々、疑問をずっと持ってまいりました。  審査意見書として、監査委員がその中に指摘をされてこられたことなどについて、監査委員の方々は、指摘してまいりましたことが、本当に実行されている、実現されているという満足感をお持ちになってこられたのかどうか、感想を伺いたいと思いますし、また、この審査意見書は8月27付で当局に送付され、私の経験からいうと、議会もその日に御説明を受けているというように思うのでありますけれども、決算の議会が始まり、その意見書がどの程度当局において真剣に読まれているのかなと思うときに、私は、これにも少々心もとないものを感じつつ今日まで来ているものでありますから、その辺の御感想について伺いたいことと、8月27日に届けられたということなのかどうか、そのことも確認したいと思います。時間がなかったので、1日から議会が始まってしまったので、余り読まなかったなどと言われると困るものでありますから、そこのところについて、監査委員にお尋ねをいたしたいと思います。 30: ◯坪山監査委員  決算審査意見に関します御質問に私からお答えを申し上げたいと存じます。  初めは、大変難しい御質問で、監査委員として、トータルに、御当局のこれへの対応が満足かという端的な御質問でございますが、私どもとしましては、大変難しい時期に、私どもの先輩を含めまして、累次、累年御提言申し上げてきた決算審査意見、これはおおむね適切に御対応いただいているものと受けとめております。  最近の例で申しましても、一昨年の平成8年の決算につきましての、収入未済額の累増を非常に大きく取り上げまして、これへの積極的な対応を求めたという点につきましても、早速、10年の4月早々に、加藤助役を議長とします対策会議が設けられまして、税を中心とした歳入確保策について積極的な取り組みをいただいたということが一つございますし、昨年の平成9年決算につきましても、平成11年度の予算編成におきまして一定の取り組みをいただいたというふうに私どもは認識をいたしております。とりわけ、財政構造の問題、そして非常に重要な、起債に、さらには基金に依存しない財政構造といったものを目指して11年度は取り組まれたということは、高く評価できるわけでございますが、例の景気浮揚策によりまして、今度も、お手元の意見書の中で触れておりますけれども、途中で、緊急対応というものによってまた市債の現在高が増加したというようなこともございましたけれども、引き続き、申し上げている事柄につきましては、市長からも議会におきまして再三御答弁いただいておりますように、そういう体質の予算編成に向けて、12年度の中できちっと対応するということもお話しいただいております。鋭意お取り組みいただいているものと私どもは受けとめているところでございます。  それから、提出の時期と読まれ方というお話でございますが、確かに、ことしは8月27日に市長のところに伺いまして、私ども4人そろいまして概略御説明申し上げ、1時間近く親しく御懇談いただいたということでございまして、各課につきましては、それから一両日中にお配りをいたしておりますので、その近い時期に手にとられる時期があったろうと思っております。  そんなことで、これは、定例監査でありますと、行政監査と並びまして、各課においても非常に関心を持って接していただいているものと感じております。 31: ◯大泉鉄之助委員  国のように完全に独立しておる機関と違いまして、地方自治体の場合には、人事の交流などについても一体感のあるものでありますから、監査委員の先生方はそれぞれのお立場でありますけれども、そのような御答弁が返ってくるのかなと思います。代表監査委員が、親しく御懇談をとおっしゃいましたが、市長に対して敬意を込めておっしゃったんだと思いますけれども、親しくやってもらっては困るんですね。これは厳しくなければならないわけでありまして、人間的なおつき合いは親しくであってもいいんですけれども、監査委員というお立場では、やはり厳しくあってほしいなと思うわけであります。  指摘事項を大変よく実行していただいているというようなお話でありますけれども、私は、決算議会を迎えるに当たりまして、ずっと長年、決算書に入る前に、意見書を最初に読むことにいたしてきております。ですから、大体どういったところが指摘されてきているかということを私なりに整理をさせていただいております。代表監査委員が今おっしゃったことにお言葉を返すようでありますけれども、であるならば、繰り返し繰り返し同じような指摘が羅列されてきているということは一体どういうことなんだろうと思うわけであります。私は、監査委員の御努力はよくわかる立場でありますから、責めるつもりで申し上げているのではなしに、言うなれば、監査委員の先生方の側に立って、せっかく心血を注いでここまでまとめあげたもの、当局はそれを本当に真剣に受けとめているのかという、半ば怒りをふつふつとさせながら読ませていただき、今この場で申し上げさせていただいているということを御理解いただきながら、おっしゃっていただきたいと思うんであります。今、大変時間をとって御答弁をいただいたようなことであるならば、繰り返し繰り返しの御指摘というのは何だったのだろうなと思わざるを得ないものがあるんですけれども、その辺についての御所感だけ伺っておきたいと思います。 32: ◯坪山監査委員  毎年毎年のことでございまして、私どもの大先輩からずっと引き継がれてきた一つの意見書のパターンというものが確かにございます。その中で、言いたくはないとしましても、若干マンネリ化した面もなきにしもあらずというふうに正直に思っておりますが、私どもとしましては、例えば、今お手元に差し上げておりますことしの意見書におきましても、先ほど申しましたような、景気浮揚もございましたけれども、財政構造改革が道半ばにして非常に難しい状況になっているということにつきましての、財政健全化に向けた新たな枠組みといったことでありますとか、さらには、行政の体質そのものにかかわってくる非常に大事な要素として、私どもが重視しております行政評価システムの導入につきましても、ことしはあえて申し上げたということでございます。そういうことで、毎年、特色のある意見書に心がけてまいりたいと考えているところでございます。 33: ◯大泉鉄之助委員  普通ですと、ここで市長に監査委員の指摘をどう受けとめるのかと聞くところでありますけれども、そんなやぼなことは申し上げるつもりはありません。  今回の監査意見書を読みましても、大きく分けると、六つについて、大きい、大変すばらしい指摘をされております。それは執行部もよく御理解されていると思いますので、監査委員のまさに心血注いだ指摘や提言を生かされて、ぜひ、今後の市政運営や仙台市の都市経営に当たっていただきたいと、これはお願いをいたしておきたいと思います。  次は、決算議会について申し上げさせていただきたいと思います。御案内のとおり、かつて、我が仙台市議会は、9月に企業の決算をし、12月に特別会計、一般会計の決算をするというふうに決算議会を二つに分けておりました。これを、平成3年、たまたま私が議長時代に、当時、議運の委員長をされておられました、今、議長でありますけれども、岡委員長を初めとする議運の委員の皆さんの大変を御努力で、予算・決算の委員会のあり方について、今のような形を整え、それと同時に、決算のすべてを9月にやるというふうに制度の改正をいたしました。  それはなぜしたかといいますと、新しい年度の予算の編成に当たって、ぜひ決算を踏まえた論議や指摘を生かしてほしい。それと同時に、その後の市政の執行、予算の執行についても生かしてほしいという議会側の強い意思があって、このような決算議会という形になったわけであることは、御案内のとおりであります。これは、まさに、我が地方自治の制度の中にあって、議会議員と長というものを市民が直接の選挙で選ぶという形の中で、長が執行してまいります市政全般にわたりまして、相対峙した立場で、議会が審議権を行使しながら物を言っていくというこの形そのものが、決算の議会、予算の議会におけるこの特別委員会にあらわれてきていると私は思っているわけであります。でありますから、私は、この決算の議会というものを当局がどのように受けとめていらっしゃるのかな、議会の思いが本当に伝わっているのかなということを言いたくなる場面をたくさん感じます。  先ほども、前段の質疑者がおっしゃっておりましたように、事前に取材をした質疑の内容について答弁書をつくり、ただただ、その答弁書を読み上げることにきゅうきゅうとして、議会側が──委員側が申し上げようとしている、ただそうとしていること、その辺の真意についてどうもつかみ切っていないのではないかとさえ思う場面が繰り返し繰り返しあるように思えてなりません。私は、執行部を率います市長に、議会の思いの募っております決算の議会というものを、どのように受けとめておられるのかということについて、御所見を伺っておきたいと思います。 34: ◯市長  平成10年度の決算認定に当たりましての、企業会計を含めて、事業の執行に関し、さまざまな御意見、そして御提言、また厳しい御指摘もちょうだいをいたしながら、今後の市政運営に対しさらに厳正に対処をしてまいらなければならないと感じておるところでございます。これらの審議の内容につきまして、私も、この場におきまして十分に拝聴し、心に銘記をいたしたところでございます。恐らくは、私のみならず、この場におりました、あるいはこの場を経験した幹部職員も、同じような気持ちで心に銘記をいたしたものであろうかと思います。  今後、直ちに検討すべき問題あるいはまた改善できるような問題につきましては、来年度を待たずして、直ちに着手に取りかかりたいと思いますし、また、そのほかにつきましては、予算編成の際に、十分に心をいたしまして取り組む所存でございます。 35: ◯大泉鉄之助委員  ぜひそのようにしていただきたいと思うんでありますけれども、しかし、予算を伴わなくても、仕組みの問題、人的な問題あるいは考え方の問題などについて、すぐ取りかかれるものなどの提言がたくさんあるように思います。しかしながら、実感として、この場の論議とか指摘事項が、生かされていないとか、正しく受けとめられていないというような感を強くいたします。例えば、私が昨年の決算委員会で申し上げたことなどについては、お金をかけなくてすぐできることであっても、なかなかその動きになっていないものなどがございます。これはひとしく議会側64人が感じるところであると思うわけであります。この期間において、この場にいて漫然と聞くだけではなしに、議会の提言や議会の指摘事項を市政執行にどう生かしていくのかという、そういうシステムづくりということをはっきりさせておかなければいけないのではないか。どこで受けとめ、どこで意思が決定されているのか、その辺がどうも明確じゃないために、その場限りで申し上げたつもりのない話が、その場限りで受けとめられて、その後は一向に実現されない。これが、予算の伴うもの、制度を変えなければならないものなどというのは時間がかかるかもしれませんけれども、往々にして、そういうものではないもので、もっと真摯に、スピーディに取り組んでいいんじゃないかというものに取り組んでいないという幾つかのものを感じるんでありますけれども、その仕組みづくりが大事じゃないかと思うのであります。今回からは、区長さんたちもこの席に出席されておるようなことにもなってきておりますけれども、そのような仕組みづくりというものがぜひ必要ではないかと思うのでありますけれども、その辺についての御所見を伺っておきます。 36: ◯市長  議会でさまざまな問題あるいはまた御提言や御意見をちょうだいし、それを市政の具体のものに反映していく仕組みということでございますけれども、これにつきましては、議会での諸問題についてに限って申し上げますと、各局におきまして、議論になりましたさまざまな問題点について一つ一つ整理をし、報告を受けることになっておりまして、それを吟味し、研究をしていくというシステムが一つございます。  それから、それとは別に、私どもとしまして、議会で課題になっているものにつきまして、改めてそれをフォローをし、予算の場にこれを持っていくというシステムがございますけれども、それで必ずしも十分だとは思っておりません。有機的な機能をさらに果たせるようにこれからも改善をし、直ちに取り組むことができるものと、それからプログラムを用意して実現に向けるもの、あるいはまた、重要性、優先性から少し待っていただかなければならないもの等々の選別をいたしまして、具体のものにしていきたいというふうに思っております。 37: ◯大泉鉄之助委員  来年のこの場で、また昨年のというようなことでの検証をしなくても済むように、ひとつ頑張ってお願いをいたしたいと思います。  次に進ませていただきたいと思います。次は人事でありますけれども、人事権の行使というのは、言うならば、市長の市長たるゆえんのというべきような大権でありますから、このことについてとやかく申し上げるつもりはありません。また、このことを申し上げますと、プライバシーにかかわることにもなってしまいますから、具体な話としては申し上げませんけれども、気になっておりますことが三つほどありますので、その三つについて一つ一つ御所見を伺わせていただきたいと思います。  その一つは、中央の省庁から応援をいただいているということであります。私は、本来、このことについては長年抵抗いたしてまいりました。ましてや、財政局長の座を自治省の出先のように思われたのではたまったものじゃないと。それが政令指定都市の代償であるならば、そんなものは要らんとさえも思ったほどに、私は抵抗いたしてまいりました1人であります。  しかしながら、現状におきましては、昨年度も6人の優秀な方々にお手伝いをいただいております。こういった人事というものが、人事の意外性や目新しさとか目玉とかということだけではもったいない話でありまして、市民にとっても不幸な話だと思います。私は、こういった方々のお働きをずっと見てまいりまして、市のプロパーの方と違って、その出身省庁の関係などにおいてもっともっと御活躍をいただく、御本人の力を御発揮いただくという場があるのではないかと思うところに、十二分にそのお力を発揮いただいているようになっていないというようなうらみを少々感じることがあるわけでございます。その辺については、市長は、十分頑張っていただいているんだというふうに……、少しここにもいらっしゃるものですから、具体にはと申し上げたんですけれども、評価としてどんなふうにお感じになっていらっしゃるんでしょうか。 38: ◯市長  中央の省庁で培ったさまざまなノウハウや、また政策立案能力等々というものが、私ども地方自治体にとりまして大きな刺激にもなりますし、また職員の、あるいは組織の活性化にもつながっていくし、そういう意味で、有効に機能していると考えておるところでございます。おっしゃるように、必ずしも完全ではないかもしれませんけれども、ほぼ十分に生かされていると考えます。 39: ◯大泉鉄之助委員  市長がそのようにおっしゃって、お思いになっていらっしゃることですから、大変結構なことだと思います。しかしながら、いよいよ本格的な地方分権の時代が動き出しております。これは中央からの応援、お手伝いなのか、中央から地方の監視なのか、私はよくわかりませんけれども、この制度そのもののあり方が変わっていかざるを得ない、変わることが求められている時代に入りつつあるんじゃないかと思うのであります。決算の総括で大変申しわけありませんけれども、ちょっと踏み出して、この制度そのものの今後のありようということについて、この時代背景を踏まえて、市長はどんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。 40: ◯市長  地方分権が定着した段階においては、中央からの出向という問題は好ましくないし、またあり得ないと思っておりますけれども、一定の成熟段階においては、必要なことであろうかと思います。ただ、その際には、硬直的ではなくて、柔軟な対応が必要であろうと考えております。 41: ◯大泉鉄之助委員  わかりました。中央からのお手伝いについては、これ以上申し上げるわけにもいかないようなことでありますので、この程度にさせていただきます。  次は、人事の適材適所の配置について御所見を伺っておきたいと思います。私は、本市はまだまだ年功序列主義で、いわゆる能力重視の比重は軽いのかなと思わざるを得ないような人事があるように見受けてまいっております。また、きのうかなんかもその話がありましたけれども、どうしてこの人がこのポストなのかと思ったり、あるいは、この人にはこの仕事はどうも御無理じゃないかと思う方がおられたり、また、民間などでは考えられないことでありますけれども、朝出勤してこられて、この一日をどう過ごそうと苦悩に満ちたお顔をされている方、あるいは、よっぽど歯を大切にされている方だと思うんでありますけれども、しょっちゅう議会等のトイレに歯を磨きに通ってこられる職員の方とか、職場でずっと座って空をにらんで瞑想にふけっていることの長い方──企画局の方じゃないですよ、頭の中で企画を練ってらっしゃるんだと思うんでありますけれども、適材適所の人事の配慮をもう少しお考えになっていいんじゃないかということをずっと感じてまいりましたことがあります。今、こういったことが本当に求められている時代、役所という機構の中でも求められているということ、そして、そのことが、とりもなおさず、行革へつながっていくというものもあろうと思います。その辺についての御所見を伺っておきたいと思います。 42: ◯市長  地方分権の潮流の中にあります今日の状況におきまして、自治体が、みずから主体的に、さまざまな市民のニーズにこたえた自主的な、主体的な企画をし、事業を実践していくということが求められている中におきまして、その際には、適材適所の人事配慮というのは、大変重要な問題であろうかと思います。  それから、もう一つは、職員の意欲の向上の面からいっても、士気を高める点からいっても、あるいはまた組織の活性化の面からいきましても、適材適所という問題は人事の基本の問題であろうと考えておりまして、適材適所は、私どもにとりまして、将来的にも、そしてまた組織内的にも大事な問題であると認識をいたしております。 43: ◯大泉鉄之助委員  近々また人事の季節を迎えるわけでありますので、ぜひそのようなお心がけで御執行されますように、議会側として大いなる期待を寄せさせていただきたいと思います。  適材適所ということに関してもう一つ申すならば、職員のOBの方々の、外郭団体とか出資会社への、言葉は悪いかもしれませんけれども、天下りという形での再就職がまだまだたくさんございますが、この中にも、どうしてこの人が責任者なのかなとか、あるいは、この人には接客の部署は無理じゃないかなと、この方の御経歴もわかっているわけだけれどもと、いろんな施設などをめぐって歩いて感じることがあるんですけれども、これは、させておられます外郭団体とか出資会社先の人事のことかもわかりませんけれども、しかし、たどれば、市長の人事権に寄る辺等を持つものでありますから、その辺についてのお考えを伺っておきたいと思います。 44: ◯市長  OB職員の外郭団体へのあっせんと言ったらいいんでしょうか、平たく言えば天下りでございますけれども、これに対しましては、やはり市の内部における長年にわたる経験を十分に活用できるという観点から、要請がありますときには、その職にできるだけヒットするような職員をあっせんしているということでございます。しかし、御指摘のように、現実には、一部の職員におきまして不適切な対応があったりということで、批判をちょうだいしている点があるということも承知をしておりまして、その辺につきまして、まことに残念に思っているところでございます。そういうことのないよう、さらに厳選をしてまいりたいと思います。  また、今後につきましては、公務員に関して、平成13年度末に退職する職員から、再任用制度というのが適用されることになっておりますので、その辺の見通しの上で、改善を図ってまいりたいと思います。 45: ◯大泉鉄之助委員  再び任用されるということですから、そういう制度が生まれるわけですから、確かにそういう人材は得がたいわけでありまして、大いに御活用願いたいと思いますけれども、しかし、うらやましい世界なんだなというふうに民間は思いますね。  それで、市民は、今まさに不況の真っただ中で、就職難にあえぎ、またリストラの嵐の中におびえているわけですね。そういうときに、市の職員だけじゃなしに、ほかの公務員上がりの方もそうかもしれませんけれども、ひとりOBの方々は、第2、第3の人生を外郭団体などで過ごせるという、本当にうらやましい存在であります。中には、まだあの人が市の関係のあそこにいるのかと、前の前の市長時代の方だったなというような方がおられたりするんですね。それぞれの外郭団体や出資会社がプロパーの職員を育てて、社員を育てて、市民に向かってもっともっと就職のチャンスの門戸を開いていくということなども大事なことだと私は思っております。第2、第3の人生を外郭団体で、あるいは出資会社で、ぬくぬくとは言いませんよ、そういうことは申しませんが、しかしながら、そうしておられると。大変すばらしい経歴、実績を持っておられるがゆえにそうだと思うんでありますけれども、私は、この制度そのもののあり方について再考しなければならない時期に来たんじゃないかと思っております。御所見を伺っておきたいと思います。 46: ◯市長  私もそのように感じておりまして、先ほど申したような新制度ができますので、それを一つの機会といたしまして、見直しを図ってまいりたいと考えます。 47: ◯大泉鉄之助委員  これも御期待をさせていただきたいと思います。  次は、行財政改革について申し上げさせていただきたいと思います。その必要性などについては、今さらこの場でくどくど申し上げません。しかしながら、次の時代に仙台市が市民のものであり続けるために、今どうしてもやっておかなければならないのは、この行財政改革だと私は思います。その行財政改革を推進していく上で、細かい点につきましては先般の質疑の中でさせていただきました。そのときに、私は、総合調整機能というものがいかに大事かということを、道路の問題を取り上げて申しました。答えは道路の問題で返ってきました。私は、あのとき市長のお答えはいただくつもりはなかったんです、総務局長か企画局長あたりの御答弁かなと思ったんですけれども、でも、せっかく建設局長から御立派な御答弁をいただきましたので、あれはあれとして了といたしておきます。そしてまた、早速、その後、建設局長みずから現場を見に行かれたということを伺っておりますので、その御努力を多といたしたいと思っております。  しかし、今、地方分権、規制緩和あるいは中央省庁の再編が進んでまいっておりますときに、中央省庁からまいります縦割りというものの、従来からの弊害の壁を乗り越えて、中央がどうあろうとも、地方が前から持っておりました、人事を一つといたします、1点に絞る人事権を持っております市長のもとで、あるいは知事のもとで、総合調整機能をいかんなく発揮できる仕組みが地方自治体のまさに特性であって、中央にはまねができないと。中央と地方が相対することがあるとするならば、これをもって打って出ることができるという特質性でもあろうかと考えてまいったものでありますけれども、この総合調整能力機能というものをどう行使していくかということが、行財政改革の実を上げることに大きく影響し、そして、その実そのものを上げるのではないかと思っております。  民間であるならば、暇な部署は忙しいところを補完しながらお手伝いする、あるいは出先なども、市民センターは何の行事もなく、こちらはとんでもなく忙しい行事を持っているときなど、お手伝いをするなどというのは当然のことなんです。他の自治体などはもうやっていることであります。先般の道路の問題などもそうです。ちょっとした工夫で絶対できない話ではないと思います。こういった総合的な調整機能をどう発揮していくかということについての御所見と、そして、それを組織としてどう機能させていくのか、その仕組みや制度についてどんなふうにお考えになっておりますか、御所見を伺っておきたいと思います。 48: ◯市長  御指摘のとおり、今日のように市民のニーズが髄分と多様化しております中で、専門性に依拠したような今日の組織、機構というのは、なかなかそれに対応できないような受け皿の仕組みになっております。そういう中において、おっしゃるような総合調整の問題が当然のことながら出てきておりまして、私どもとしましても、それへの対応を、プロジェクトチームをつくってみたり、さまざまな本部制をつくってみたりということで対応してまいってきておりますけれども、それが、本部制を除けば、どちらかといえば、一つ一つの事業ごとの一時的なプロジェクトというようなことになると思いますが、そのさらに先の事業一つ一つの現場におきましての総合調整機能というのが果たして十分かということになりますと、その辺についてはなかなか浸透していないというふうにも思います。  この総合調整機能ということを一つのテーマにいたしまして、組織をより融通性のきく柔軟な組織にするにはどうしたらいいかということが、恐らくどこの地方自治体にも問われている課題であろうかと思いますが、私も、これは、今後の組織のあり方の問題、あわせて、それは行財政改革の一つの欠かすことのできないテーマであろうと思っております。どんなふうにその調整機構をさらに機能させたらいいかという辺について、もっともっと知恵を絞る必要があるし、できれば、制度の確立が望ましいと思っております。 49: ◯大泉鉄之助委員  そういった機能をより機能させるために、助役であるとか、企画局などは、ぜひ大いに頑張ってほしいなと思っております。  次に、行財政改革というものは、もとより痛みが伴うものであります。次の時代が健全財政であり続けるためには、一定のひもじさにも耐えなければならない時期があろうかと思います。そういった観点からするならば、福祉といえども、決して聖域であり続けられないということも否めない事実であると私は思います。その痛みというものは行政と市民が分かち合うべきものでありますけれども、昔の悪代官と村人の関係ではなしに、できれば、その痛みは、行政側に重く市民の側に軽くありたいというのが、これが目標であろうと思います。  先般、私は、質疑の中でこのことについて申し上げさせていただきました。今日まで市が取り組んでまいりました行財政改革の中で、市民が感じております、不便さとか、あるいは物足りなさとか困り事とかといった受けとめ方に比して、行政側の血の流し方はまだまだ足らないのではないかという見方を市民は広くいたしております。これは、いろんな形で執行部の耳にも届いているかもしれません。このことについての市長の所見を伺っておきたいと思います。 50: ◯市長  市民の痛みを我が痛みといたしまして行政改革に取り組んでいるつもりでございますけれども、しかし、まだまだ十分とは言えないことは十分に認識をいたしておるところでございます。行財政改革というのは、これからも継続的に続けていかなければならない大きな市政の課題でございますので、職員ともども、みずからの血を流しながら、行財政改革という一つの大目標に向かいまして、市民の理解が得られるように、具体に行動し、具体の実践を行ってまいりたいと思います。  今日まで、その一つでございますけれども、職員の400名の削減だとか、あるいはまた給与の問題に対して我慢をしていただくとか、さまざまな取り組みもいたしてはきておりますけれども、それだけで市民の理解が得られる段階にまで到達したとは思っておりませんので、今後とも、間断なく、たゆみなく続けていきたいと思います。 51: ◯大泉鉄之助委員  市長のせっかくの御意思にかかわらず、私は二つ問題があるんじゃないかと思っております。市が400人の職員の削減をするとか、あるいは、交通局において民間並みの給与に下げるとか、これは大変な御努力があったと思うんです。しかし、市民には全然伝わっておりません。市民によく御努力が伝わるようなことも、おれはこれだけやっているぞと何もひけらかす必要はありませんけれども、しかし、市民、行政一体となって行財政行革に取り組んでいかなければならないときに、そういったことも大事かなと思いますし、また、市長のせっかくの御意思が、1万1000職員の隅々にまで、悪い意味のネズミ講ではなしに、いい意味でのネズミ講的に末端にまで浸透していっていないんじゃないかという部分がたくさんあります。
     行政側が、市民に比して痛みを余計受けとめているんだ、血を流しているんだということをまず率先するためには、前々から申しておりますように、市の組織が、市の職員が、それぞれのセクションにおいて、それぞれの個人において、民間並みのコスト意識をどう持つかということであろうと思うのであります。私は、全職員のコスト意識については、まだまだ欠落しておる度合いが大きいと思わざるを得ないものを感じます。このコスト意識の涵養というもの、今までやってきております職員研修の中のあの程度のことでは、なかなか御理解はいただけないのではないかなと思うわけでありますけれども、コスト意識の涵養ということについて、市長の御所見を伺っておきたいと思います。 52: ◯市長  行政改革の推進によります効率的な行政運営に当たりましては、納税者の負託によって市政が運営されているんだという観点に立つことが一番大事なことであろうと思います。このことが、民間の側から見たときに、公務員といいますか、行政に携わる者のコスト意識がまだまだ物足りないと見られる最大の点であろうかと思います。そういう意味におきまして、行財政改革の中における職員の意識改革の中の一番大事な部分が、コスト意識という点に置かれなければならないと思っております。そういうこともございまして、私どもとしましては、効率的な運営を行うために、「業務運営基本システム」というものをさきに導入いたしたわけでございますけれども、もちろんそれだけで十分とは言いがたいものがございます。研修におきまして、民間の講師により、さまざまな民間での状況を御披露いただいたり、また、本年度からは、民間の企業に職員を派遣するという研修システムの試みも行ってみているところでございますが、さまざまな方策によりまして、職員のコスト意識が民間レベルまで高められるよう、これは集中豪雨的な対応をいたしていきたいと思っております。 53: ◯大泉鉄之助委員  市長の集中豪雨的な御努力をぜひお願いしたいと思いますけれども、それでも、どうしてもコスト意識の涵養が進まないときには、思い切って民間にゆだねることだと思います。例えば、家庭ごみの収集などを民間に委託しましたら、環境局はどのように試算しているかわかりませんけれども、私なりの試算をしてみますと、100円かかったものが46円ぐらいでできるわけでありますから、コスト意識の涵養がなかなかできないというときには、思い切って、民間に委託できるものは民間に、あるいは民間に経営をゆだねられるものは民間に経営をゆだねるということが大事かなと。そして、いたずらにきれいなところの民間へ行っての研修などはしないで、思い切って、市の職員の方々は、きのう教職員についてもそういう話がありましたけれども、3Kと言われるような職種の中で本当の現実を見てくることが大事ではないかと私は思っております。ぜひ集中豪雨的に頑張っていただきたいと思います。  次に、4番目の、地域経済の問題について伺わさせていただきたいと思います。  市長は、この議会が始まります前に、来年開かれる沖縄サミット、そして、その次に日本にサミットが回ってまいります時期に、その候補地の一つとして仙台が手を挙げていきたいという御意思を発表されました。今定例会の冒頭においても、同僚議員が、質疑の中にこのことについて織りまぜて御発言いただいたようであります。私も、これは大変すばらしいことだと思っております。夢があるということは大変すばらしいことだと思います。夢に向かって歩いていくことは、もっとすばらしいことだと思います。  しかしながら、仙台でサミットを受け入れるためには、よほどの努力をしなければ受け入れられないだろうなと思っております。会議場はあるようであります。しかしながら、ホテルの問題一つを取り上げましても、大変なことだなと。沖縄というところは、年間、あれだけの観光客が国内外から押し寄せてまいります。それに対応できる世界的なレベルのホテルがたくさんあります。残念ながら、仙台市内には世界的なレベルのホテルはありません。日米市長会議をやりましたときにも、プールのあるホテルは何軒ありますかというような問い合わせがあったことを記憶いたしております。私は、サミットを迎え入れるためには、ホテルの問題一つ取り上げましても、サミットだけはいいかもしれませんけれども、その前後の、仙台というまちの集客力とか、都市力とか、民力ということを考えますと、そういったものの誘致はなかなか難しいのかなと。サンプラザの宿泊施設に泊まっていただくのならともかくでありますけれども、そういうわけにもいかないと思います。  こんなことを考えてまいりますときに、今、まさに高速交通、高度情報、そしてまた今日的な長引く不況下にあって、従来から、仙台というまちが支店経済と言われるものに軸足を置いたまちの成り立ちをいたしてまいりましたことに、私は先細りを感じるものであります。今こそ、どちらかというと、支店経済というものに軸足を置いておりました、仙台の地域社会の経済のなれ合いから脱皮して、そして、生産性の高い、経済活動が闊達に行われるまちづくりをしていかなければならない。そのことに行政がどういった手だてができるのか、真剣に取り組んでいかなければならないのではないかと思っております。  経済局では、支店がどの程度仙台のまちから引き揚げているかということについては、実態をおつかみになっておられないようであります。しかしながら、先般の、6月4日の河北新報の特集記事「支店経済の先細り」というものを読んでみましても、あるいは8月23日の日経新聞の特別企画の「揺れる支店経済」、賃貸オフィスなどの空き室率が非常に高いというようなことでの特集が、仙台というまちをとらえて行われております。さらに、これから中央省庁の再編などに伴いまして、民間がその出先を今までのように置いておく必要がないということになってくることが、目の前に広がろうとしていると思います。また、アエルでは、保留床が売れずに、賃貸ということにならざるを得なかった。この辺についてなども、支店経済の先細りになっていくことは、高度経済成長、高速交通、あるいは今日的な不況というものの先の見通しが立たなかったことにあるんじゃないかと私は思っております。  実は、私が地域の中での政治活動の拠点にいたしております、すぐ裏の日東ハイツという一つのビルディングをとらえましても、去年の春からこの8月までに11社撤退していきました。建設業が3店、設備関係の会社が4店、それから不動産が1店、その他3店。その内訳は、東京に本社があり、東京に引き揚げていったのが6社、それからその他が5社と。ただ一つの小さなビルディングを眺めてみましても、この実態であります。ここにおりました出先の方々というのは、支店長とか所長とか、あるいは事務員さんとか、みんな現地採用であります。本社に来るのなら来いと言われたけれども、本社に行って仕事は何をさせられるかわからない、仕事があるようにも思えない、机さえも置いてもらえるかどうかわからない。結局、やめざるを得なかったということで、勤めておられた方々のほとんどは失業ということになったやに、ビルの管理人の方から伺っております。  ハローワーク──昔の職安、朝、あのかいわいの混雑はすさまじいものがあります。交通渋滞のお話もきのうかなんかありましたけれども、大変なものがあります。また、来春、高校を卒業して就職を希望されている方々の内定率は、全国的に見ましても、仙台経済圏は非常に低いわけであります。こういった実態はとらえておられるとは思うんでありますけれども、10年度の決算を踏まえて、この1年間、仙台市が施策の展開をし、予算の執行をして仕事をしてきたというその事実の中において、仙台市の行政が地域経済の下支えというものにどのくらいの効果を上げてきたと自己採点されているのか、行政側としてどんなふうにお感じになっているのか、市長の御所見を伺っておきたいと思います。財政再建に待ったをかけてまで、地域経済のために、あるいは制度減税のために大変な予算執行をされてこられた努力を見るだけに、自己採点をどんなふうにされているのか、伺っておきたいと思います。 54: ◯市長  平成10年度の当初予算において、財政再建という命題を掲げ、執行すべく努力をしましたけれども、おっしゃるような状況において、地域経済の回復を緊急の課題といたしまして、数次にわたる補正を行って、努力をしてまいったわけでございます。  その効果につきましては、経済のことでございますので、直接的な効果というのはなかなか把握しにくいし、また、それが原因でこうした効果が出てきたということを把握することは非常に難しい面もございます。しかしながら、ひいき目に見て、雇用の面におきましては、回復の見通しにおいてまだまだ問題がありますけれども、一般的に見まして、景気の回復感といいますか、わずかながら希望が見え始めてきたと思っているところでございまして、これがさらに今後とも期待できるようになりますことを願っているところでございます。 55: ◯大泉鉄之助委員  私は、ある一定の効果があったという評価をいたしております。そして、巷間聞きますと、この夏には、とてもとても夏の手当はもらえないと思ったという私の近所の配管工の方などは、水道局の仕事が出たために、それにありついたために、幾らか夏の手当ももらったんだと、そういう話を喜んでされている家庭の主婦の声を聞いております。ぜひ今後とも頑張っていただきたいと思うわけであります。  市長は、市民の目の高さということをよくおっしゃられ、市長が就任されてから、議会の論議の中にも、市民の目の高さというのがうんと出てまいります。拾ってみると、恐らくこの言葉が一番多いのではないかと思います。しかし、私から見ますと、市民の目の高さというのは、市の行政が予算を執行して、その執行した予算によって潤う側の市民の目の高さのように見えてならない。それと同時に、その原資となります、財源となるものを市に拠出する側の市民については、どうも市民の目の高さという言葉が使われていないんじゃないかと私は思うんです。市長は、いやそこも含んでだと思っていらっしゃるかもわかりませんけれども、市長のおっしゃりよう、論議などを聞いておりまして、そして、実際、市民の目の高さというものを精査してみますときに、福祉だ、医療だ、教育だ、文化だということで、受ける側の市民の目の高さというものについては相当配慮されているなと、これはすばらしいことだな、今後とも頑張ってもらいたいなと思いますけれども、原資となります、市に財源を提供していく側の市民についての市民の目の高さというものに、市民の目の高さが少し違うのかなと思わざるを得ないところがあるんでありますけれども、この先の地域経済の活性化というものに対して、どのような施策の展開をなされていこうとされているのか、御所見を伺っておきたいと思います。 56: ◯市長  仙台の地域経済の特色と申しますか、これは、委員のおっしゃるように、支店経済ということで、中枢都市は一様にそうでございますけれども、東京本社あるいは大阪本社の東北における拠点機能ということで、それが一つの経済特徴になっておりますけれども、この体質というのは、これまで、明治以来の日本の近代化の中において、必然的に形成されてきた体質であろうかと思います。しかし、今日、産業も経済も、すべて新たな地平を求めて新しい展開が求められておりまして、情報だとか知識だとかというようなものが主導産業になっての産業構造の新たな構築が求められております。  そういう中で、いつまでも仙台が、支店経済ということで、それにしがみついてこのまちの経済の特色をなしていくかといえば、決してそれはあり得ないことでありまして、私としましては、やはり自立型の経済の体質が求められているであろうし、そのためには、本市が持つ、特色でございます、知識なり、あるいは知的な蓄積がございますので、そういうものを資源とした21世紀型の産業というのが、規模の大きさにかかわりなしに、多様にこのまちで創出され、そして自立型の地元企業がたくさんできてきて経済を支えると、こういう体質に変わっていくことが望ましいのではないかと思っております。それの支援を、ベンチャーを含めまして、基本にしてまいりたいと思っております。 57: ◯大泉鉄之助委員  私が総括質疑で伺わせていただこうと思いましたすべてが一応終了いたしたわけでありますけれども、9月1日に始まりまして、きょうまで1カ月間、30日間にわたって論議されてまいりましたこと、あるいは指摘されてまいりましたこと、この9月の決算議会の何たるかということをよくお受けとめいただきながら、新年度の予算の編成、そして新年度の予算の執行、施策の展開に御努力され、地方自治体の責任者として、輝かしい市民のあしたを構築していくことにぜひ御努力くださいますように心から期待をいたしまして、目標をしておりました3時を回りましたので、質疑を閉じたいと思います。ありがとうございました。 58: ◯委員長  暫時休憩いたします。               休憩 午後3時02分               再開 午後3時22分 59: ◯委員長  再開いたします。  公明党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。             〔植田耕資委員、質疑席に着席〕 60: ◯委員長  発言を願います。 61: ◯植田耕資委員  私の方からは、介護保険について改めてお聞きしたいと思います。  昨年度、そして今年度、介護保険に関しましては、もう既に、当議会におきましてもさまざまな観点から議論がなされ、そしてまたマスコミでもいろいろ書かれていまして、その問題点といいますか、大体浮かび上がりました。あとは、来年4月1日から……、これからいろいろ詰めてやっていく過程で、またいろんな問題が起きてくるんじゃないかと思います。現に、厚生省も5年後に見直しをすると、3年目から見直しに取りかかるというふうなことを言っていますので、私は、介護保険の本質から、介護保険のその次に見えてくるものを議論の中から考えてみたいなと、市長といろいろ御議論をさせていただければありがたいなと思います。  介護保険制度がいろいろ議論されまして、私は、率直に言って、あれっと思ったことは、40歳未満の介護をどうするんだろうかと、これがまず頭の中に浮かび上がってきました。それで、介護保険がなぜ検討され実行されるようになるかといえば、それは言うまでもなく、高齢化社会が訪れて、そして多くの方々が介護を必要とするようになるという予測のもとに、一つは、保険方式でこういう制度がつくられたと。なぜもっと本質的に保険制度をつくらなければならないのかといいますと、一つには財政的な問題がありますが、やはり何といっても、介護をしている家庭の方々、介護を受け持っている方々が、大変苦渋に満ちるといいますか、場合によっては家庭崩壊までいくという現実に、やはり政治はある一定の役割を果たさなければならないということで、介護保険制度というものがつくられたと思います。  であるならば、40歳未満であっても、病気であれ、けがであれ、介護を必要とする人がいますし、あるいは、きのう下関で起きたようなああいう不幸な事件で介護を受けざるを得ないような人も、また介護の対象になるべきではないのかと。そうすると、この人たちに対しては、今現実には、難病対策などというさまざまな方式で税の中から執行されている部分がございますが、介護という視点に立った場合には、40歳未満の方々に対する介護という問題は避けて通れなくなるんじゃないかと私自身は思うんですけれども、市長はどうお考えでしょうか。 62: ◯市長  今回の介護制度でございますけれども、少子・高齢化社会を射程の中に置きまして、介護の必要性が高くなります高齢者と、そして、それを支える世代等を念頭に置きまして制度化されるものであると思いますが、その背後には、やはり家庭の問題がありまして、介護、お世話をする方々の家族的な変化ということも十分射程の中に入っていると思います。ただ、今回は高齢者がそのターゲットになっておりますけれども、将来的には、全対象者、全部をカバーする中でシステム化されていくことが、当然そういう時期がやってくるであろうと考えます。 63: ◯植田耕資委員  まさにそのとおりで、今回の介護保険法は、40歳以上の方に対する介護に関するシステムをつくったということでございますが、介護保険法を1回読んでみようということを思い立ちまして、健康福祉局から「介護保険制度の解説」という本をお借りしまして、社会保険研究所というところでつくった介護保険法という……。まず、この法律の名前なんですね、老人介護保険法とはなっていないんですよ、ただの介護保険法という名前なんです。そして、総則の第1条の目的を見ますと、総則というのは、この法律がどういう目的で、どういうところでどういうふうに実行するかという基本が書いてあるところでございますが、この中で、お年寄りを対象にしていると受け取られる文章というのはたった1行しかないんです。それは、目的第1条、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により……」、加齢、年齢を重ねるということですけれども、総則の中では、この1行だけ、これがお年寄りに対する法律なんだなとうかがえるんです。もちろん、第4章、第5章になっていけば、細かいところに入っていけば、お年寄りの部分がありますけれども。すると、この法律は、とんでもない頭のいい人が考えた法律ではないかなと、読んでいて思ったんですが、将来、総則の第1条のこの1行を削りますと、これは、さっき言いました、40歳未満の方の介護にも適用されていくと。ただ、断っておきますけれども、それを全部税金でやれとか全部保険でやれとかというようなことを今ここで議論するつもりはさらさらありませんので、対象になり得る法律だということです。そういうふうにこの法律はつくられていると私は思うんですけれども、市長はごらんになってどう思いますか。 64: ◯市長  私は、最初から、高齢者が対象という既成概念を持っておりましたので、そのような読み取りまで深くは読み取ってはおらなかったところでございます。 65: ◯植田耕資委員  いいです。これは、国が変えればそれだけの話ですから。ただ、問題は、原因は病気であれ、けがであれ、災害であれ、介護を必要とする方々が置かれている状態は、家庭に、家族にとって大変負担が大きいと。これをどうしようかというところからスタートしているのであるならば、私は、年齢制限というのは将来は撤廃すべきじゃないかと。そうすれば、この介護保険法一発で、介護を必要としている家庭の人に、さまざまな行政上の、あるいはさまざまな民間を生かしたサービスでも可能ではないかと。このことを市の執行部の方々にはまず認識していただきたいなと思うので、質問申し上げたわけでございます。  もう一つは、高齢化社会の対極に、さっき市長がおっしゃったように、少子化社会というのがございます。高齢化社会が問題になるのは、今、出生率が大変少なくて、将来、生産人口が少なくなり、お年寄りを養っていくのが大変だということからスタートしているんですから、本音で言えば、国は、もっと子供を生んでほしいと、極端なことを言うと。場所によって違いますけれども、今、女性が一生のうちに生む子供の数は1.23人ぐらいなんですかね。一生のうちに5人ぐらい生むと、介護保険法は必要なくなると。5人では多いのか、4人でいいのかは知りませんが、要するに、本音は、もっと生んでほしいということなんです。だから、保育所とかその他の子供のための施設を充実するというので、17億円が来たわけですよね。  少子化対策は、保育所とか預かり保育、その他だけなのかと。確かに、真っ先に目が行くのは保育所だと思います。ようやく国は無認可保育所も面倒見ましょうと。今まで、地方自治体はいろんな形で面倒を見てきましたよ。そうすると、少子化社会というのは、例えば、お母さんのお腹に子供さんがいると、何カ月とかの検診をするんですよ、出産が近づくと1週間に1回とか10日に1回とかと、こういう問題とか。もっと前にもあるんですよ。それは、子供が欲しくても生まれない夫婦がいるわけです。その切実さに対して、どういう治療をするかわかりませんが、医学的治療をすると子供ができると。であるならば、子供が少ないというのであれば、本音はもっと子供を多く生んでほしいというのであれば、そういうところにも手をつけていかなければならない。介護という視点ではなくて、少子・高齢化社会という視点からいくと、この問題は大事な問題ではないかと。お母さんのお腹の中にいるもっと前から対策を考えていかなければならない。そうすると、ずっと一貫して考えなければならない。それを、お年寄りだけとか、あるいは難病でこうだった人だけとかというような、とりあえずばんそうこうをぺたぺたと張って何かやっているというような方式は、成熟した民主主義社会であるならば、もうそろそろ卒業していいんじゃないかと。これは地方自治体が受け持つべき、ただ、お金がどこから出るかというのは全く別な話ですからね、考えておく必要があるのではないかと思います。これについてもっと議論を闘わしたいんですけれども、私は持ち時間がないものですから、これ以上しゃべっているとオーバーして、次のことに行けません。  大変大事なのは、今の、介護保険法と少子・高齢化社会の視点というのと、もう一つは、介護を受けるようになった方々に対する、いわゆるリハビリ。できれば、寝たきりの人は車いす、車いすの人は何か器具を使って立って歩く。器具を使って立って歩く人は、器具を使わないで立って歩くというふうになるのが一番理想的なんです。新人の安孫子委員がここで言いましたけれども、アメリカでは10カ年政策をやっているんですよ。私も、8月の末か9月の初めに、たまたまNHKスペシャルというテレビの番組を見ていて引きつけられたんですけれども、アメリカ東部の、名前はホワイトハイツとかというニュージャージー州の……、私は海外視察のときに絶対行ってみようと思っているんです。それはどうでもいいですけれども、そのホームで、91歳の女性が転んで足の骨を折ったんです。日本では恐らくほとんど寝たきりでしょう。もちろん1回は寝たきりになったんですよ。骨をくっつけるために、当然、手術しますわね。それで、自分の足で歩かせる作戦を立てるわけです。それは、まず一番最初に何をやるかというと、肉体的寝たきりじゃなくて、精神的に寝たきりを起こすんですよ。いわゆるカウンセリングをするわけです。あなたは絶対自分の足で歩けますよと、専門家が何回も何回も説得するわけです。お年寄りですから、もういいわと、私は寝たきりでもいいわと思うんですよ。それを、自分の足で歩かせるための説得をするわけですね。そして、その次にやるのは、腕の筋肉をつけさせるんです。なぜかというと、物にすがって立てるように。それから、だんだん足の筋肉を、しかも、筋肉をつけるジムというのは、全くのスポーツジムですよ。よくテレビでやる、スポーツ選手がやったりするのと全く同じものを使っているわけです。そして、見事につえで歩き始めるところが映像シーンで映っていましたけれども、最後に、ナレーターが言っている、これがアメリカだと思ったんですけれども、寝たきりにしておくより、こちらの方が安いと言うんですよ。アメリカの寝たきりゼロ作戦10カ年政策というんです。僕はアメリカは政治をやっているなと思いますよ。  もう一つ、アメリカのやったことを言いますと、レーガン政権のときに、がん撲滅のの物すごいプロジェクトをやったんですよ。結果的に、がんを撲滅するということはできなかったんですけれども、数字ははっきり覚えていないんですけれども、20億ドルぐらいやったんじゃないですかね。そして、その結果、何が生まれたかというと、免疫治療とか遺伝子治療とかという新しいものがどんどん発展したんですよ。今はほとんどそうでしょう。ようやく日本でも……。これが政治をやっているということなんですよ。ですから、これから、特別養護老人ホームとか、あるいは在宅介護でもいいですけれども、ワンランク下げるための努力をどうするかと。例えば、車いすで歩いている人が器具を使って歩けるようにするためにどうしたらいいのかと、ここを考えるべきだと思うんです。これが一つ。  それから、もう一つ、市長が、仙台市高齢者保健福祉計画の中間報告のことで、さっき総合的にやりますとおっしゃったことなんですけれども、なるべく介護とかの必要のないような人生を送るようにするには、自分の健康を維持するためにどうするかと。二つありますね。これをやらないと、ただただ介護保険は、青天井とまでは言わないけれども、恐らく、将来かなり高くなっていく可能性があるんじゃないかと。いかにそれを少なくするかという努力の柱……、中間報告でこれを見ますと、市長ね、柱が小さいね。もっとデーンと立てないと。市長、そこのところはどうお思いになりますか。さっき、総合的にやりますと言いましたが。 66: ◯市長  中間報告でございまして、これからさらに肉づけをしていくわけでございますけれども、おっしゃるように、これからのあらゆる領域において、自立ということが大きなテーマになろうかと思います。今日まで、豊かさの中で、私どもは、どちらかといえば、依存的な傾向がございましたけれども、そのことが諸悪の源泉にもなっているような気がいたしまして、これからの21世紀に向けた人類の大きなテーマになろうかと思いますし、そういう考え方を老人保健福祉計画の一つの大きな哲学にしていくべきであろうと思います。ただ、その具体の施策の中でそれをどのように展開していくか、これからの課題でございます。 67: ◯植田耕資委員  そのとおりだと思います。これからの課題だと思いますが、これを追求していくことと、追求していかないで、保険で払っているんだからそのままただそれぞれのサービスを受けていればいいんだという生き方では、10年、20年後に全く違った結果が訪れてくるんじゃないかと私は思います。  私の家の近くに、萩野町コミュニティセンターという普通のコミュニティセンターがあります。よく行きますが、ここの階段に、目の見えない人のための、プツプツと穴のあいた黄色い点字ブロックがあるんですよ。これを私が踏むと痛いんですよ、自分の体重で。コミセンの人に、目の見えない人は1年間に何回ぐらいこのコミセンに来ますかと聞いてみると、そうですね、1回来るかどうかと言うんですよ。これをむだと考えるか、これが文化だと考えるかの差なんです。私は絶対これは必要だと思います。1年に1人しか来ないような施設であっても、そういうものをきちっと用意してあるということが、市の誇りだと、文化だと。それを合理的に考えて、むだだとしてしまうか。いつだったか、どこかの新聞に、仙台市のヘリコプターの稼働率が低いと書いてありました。ああいうヘリコプターの稼働率は低い方がいいんですよね。消防車とか救急車などというのは、できれば1年間1回も出動しない方がいいんですよ。その方が幸福なんですよ。ただ、現実にはそんなことはあり得ませんから、なるべく稼働率は低い方がいい。すると、稼働率が低いから、それはむだだから削れというのは、問題の本質とは違う。  私は、今、三つの視点から言いました。人の一生の問題、介護という問題から、少子化と高齢化社会への対応という問題と、それからもう一つは、少しでも健康にさせていくという方向の三つの視点から言いましたけれども、ある部分には、むだだと思う判断もあるかもしれませんけれども、ぜひこの問題、地方分権という……、僕は、総務局のレクチャー用の地方分権のやつを読みましたけれども、これはとても地方分権になっていないなと思います。それはまた別にしまして、一応、言葉としては地方分権とありますから、地方分権という位置で、仙台市は全国のトップレベルにそこのところを持っていっていただきたいと私の方からお願いしたいと思います。  それから、最後に、救急指定病院のことでちょっと。ことしの6月議会で、うちの山口議員が、仙台市の救急指定病院が大変少ないと、18しかないと。ことしの9月から二つだかふえて20になったようですけれども、これは、私も調べたら、基準が面倒なんですね。しかも、これは県知事も仙台市長も、お願いはできても、指示するというわけにはいかないんですよ。それぞれの病院が、自分のところでやりますとならないとなれないわけですよ。これが、ベッド数も全部、地域医療計画の中に組み込まれるわけです。福岡へ行って調べてみたら、あそこは地域医療計画ができる前に病院のベッドがいっぱいあったんですよ。それで、救急指定にするということは、市民へのサービスというか、病院としての競争という面もあると思うんですが、そういう点で、大変そろっていると、四十五、六カ所あったのかな。まだふえているんですよ。同じ政令市で、人口は多少違いますけれども、置かれている状況の中で、けがをしました、何しましたというときに……、いきなり救急指定の基準を仙台市に適用して今やれと言っても、そんなに簡単にはいはいとふえるものではないんで、私は、今、仙台市がやっている事業を拡大して、もう少しベッド数をふやすと、確保するという方向で検討していただきたいなと思うんですけれども、市長、ひとつ。 68: ◯市長  救急の問題ですけれども、初期、2次、3次のそれぞれの整備が必要でございますが、とりわけ2次の救急病院につきましては、おっしゃるように、我が方の意思だけでは何ともできないような状況にございます。医師会等の御協力も得ながら、ベッド数の確保と協力病院の確保に対して、重点的に今後とも努力をしていきたいと思います。 69: ◯植田耕資委員  大変ありがとうございました。以上で終わらせていただきます。 70: ◯委員長  日本共産党仙台市会議員団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。             〔山脇武治委員、質疑席に着席〕 71: ◯委員長  発言を願います。 72: ◯山脇武治委員  まず最初に、土木費に関連をして、アエルの地下駐車場の管理委託問題について伺います。  先日、我が会派の福島委員が取り上げましたが、翌日の新聞で報道されました。それを読んでおりますと、記者に対して当局が、人の配置に不足する部分もあったけれども、超過した部分もあって問題はなかったと、あたかもこういう趣旨の説明でもしたかのように受けとれる記事になっておりました。  そこで、改めてこの問題に関する当局の認識を伺いたいのですが、毎日の人員配置及びその給与に関する細かい契約が交わされているわけです。また、毎日、業務日報を市に提出させていながら、そのことについて、やる時期までチェックできなかったという意味で、市当局の対応の重大さ、あるいは市から受託していた株式会社アエルの責任というのは非常に大きいと思うんですが、その点についての認識について改めて伺いたいと思います。 73: ◯都市整備局長  土木費の部分で御答弁申し上げましたけれども、確かに、御指摘のような、管理にずさんな面がございましたというふうにお答えをいたしておりまして、たとえ、全体的な時間数が超過といいますか、そういった状況になっておりましても、やはりずさんであったということには変わりはないわけでございまして、その点は、私どもの指導、監督の面、あるいはアエルの方の非と申しますか、そういうことはあると私は認識をしております。 74: ◯山脇武治委員  私は、一般的な問題ではなくて、問題に気がついた後の当局の対応がなお一層重大だったのではないかと思っております。業務日誌やタイムカードが改ざんをされていたという疑いがあります。しかも、これが市の主導でやられたのではないかと私は思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。 75: ◯都市整備局長  これは、決してそういうことではございませんで、当初ということで、しかも、これは前にも御答弁申し上げましたけれども、管理面でのなかなか難しい部分もあったわけでございまして、そういった面で、やや混乱した部分があったのかなということで、決して故意にそういうことをやったというふうには私ども理解しておりませんし、ミスという部分はございますけれども、故意ではなかったと理解しております。 76: ◯山脇武治委員  途中でそのことに気がつくわけなんですが、ところが、市に提出されている文書について収受印が押されております。収受印を毎日押しているわけですね。ところが、ミスがあったことに気がついた後、さかのぼって別につくり直されている。ミスがあったのなら、そこを訂正しなければならないわけですが、訂正ではなくて、さかのぼって書きかえられて、取りかえられているわけです。カードそのものについては、それがなかなか技術的にできないものですから、ほかのものは全部機械で打っているわけですけれども、その部分だけは手書きで書きかえられていると。これは文書の改ざんじゃないですか。これはちょっとしたケアレスミスだとは絶対に思えないんですが、いかがでしょう。 77: ◯都市整備局長  これにつきましても、私ども、そういったことの調査と申しますか、確認をいたしたわけでございますけれども、当初の契約に従って、日報等について、日報を取り扱っておられた方が、もとの計画のとおり報告をしなければならないといったような意思が強くて、そういうことでもってそういった状況になってしまったと、こういうふうに私どもの調査では判明をしたわけでございます。 78: ◯山脇武治委員  そこを聞いたのではなくて、結果的に間違った報告が出されてきていた。そのことに気がついて訂正をするときに、間違った部分を、例えば線を引いて書きかえたというのではなくて、書きかえたことが全然わからないように、収受印がさかのぼって押された書類がつくられていると、こういうような事務の執行の仕方というのは大変異常だと思うんですが、いかがでしょうか。 79: ◯都市整備局長  私、その部分については承知をしておりませんけれども、そういうことがもしございましたら、それは、確かにおっしゃるようなことではないかと理解しております。 80: ◯山脇武治委員  単なるケアレスミスではなくて、そういうふうにせざるを得なかった。要するに、何事もなかったというふうに書類を整えざるを得なかった理由があったのではないかと、それが何なのかはわからないわけですけれども、そういうふうに思わざるを得ません。公文書の取り扱いとして、こういうようなやり方は許されないことじゃないかと私は思うんですね。この問題は今後とも追求していきたいと思います。  実は、仙台市の場合、このアエルだけではなくて、似たような、非常に高額な委託費を払って委託をする、さらにそこから再委託をするというような、外郭団体というか、第三セクターや株式会社というものがたくさんあるわけですね。そして、その業務量は最近ふえてきているわけです。そういう中で、こういうことが日常的に行われていたとすれば、これは大変な問題で、この間も何度か具体的な例を指摘しながら私も取り上げさせていただいてきたわけなんですが、そういう中で、非常に注目された、また地下駐車場の管理問題ということについていえば、売却問題以来、オンブズマンが非常に関心を持っていろいろ調査してきた、いわば、非常に注目された中でさえ、こういうことが行われてきたということを考えると、こういう問題について、再度、全体としてチェックし直す必要があるし、また、そういうことを起こさないような仕組みをきちっとつくっていく必要があるんじゃないかと思います。  お伺いいたしますと、それぞれ局ごとに、原局ごとに関連する外郭団体を掌握しているということにはなっているんですが、例えば、出資比率25%以上の外郭団体全体についての、人的な体制なども含めた、基礎的な資料をどこかで集中的に持っているかといいますと、これをお伺いしても、どこにもないんですよね。それぞれ一々調べないとわからない、こういうような仕組みは改めるべきじゃないかと思うんですが、どなたかわかりませんが、いかがでしょうか。 81: ◯総務局長  株式会社アエルは、仙台市は出資しておりませんので外郭団体ではございませんが、外郭団体一般の今のお話につきましては、外郭団体との関係といいますか、それぞれの局でそれを律するのが適切だと思います。思いますが、私どもも、全庁的な一定の統一基準でもって、例えば、経営の適正化とかというようなものについても関与していかなければならないということで、現在、各外郭団体にヒアリングをしていまして、統一基準と申しましても最大公約数的なものになりますけれども、そういうものを策定してまいりたいと考えています。 82: ◯山脇武治委員  次に、衛生費中、環境費に関連をして、松森工場問題についてお伺いしたいと思います。  この問題では、市として一定の計画をつくりまして、住民の皆さんへの説明会がずっと開かれてきておる。しかし、その中で、なかなか住民の皆さんの理解が得られてきていないと私は理解をしております。その際、幾つかのことが問題になっているわけですけれども、最大の問題は、仙台市としてのごみ行政について、ごみの徹底した減量への取り組みという点でまだまだ不十分じゃないかということや、あるいは、そこに建設を計画したときに、そのことについての住民への説明などについても、住民から非常に厳しくいろいろ要望が出てから、いわば、説明をするというような形で、ごみ問題については、本当に住民との共同の取り組みの中で解決していこうというような姿勢や、あるいは、基本的な、ごみを徹底して減量していくんだというあたりについて、非常に厳しい問題提起がなされてきたと私は理解しております。  そういう点では、先ほども議論がありましたが、私は、1日の燃焼量780トンという施設規模の問題について、改めて議論させていただきたいと思うんです。  一つには、仮に、富谷町が独自に処分する方向になった場合、施設規模を見直すことになる趣旨の御答弁を局長はされたと理解しておりますが、それに加えて、政府の方で、関係閣僚会議で、平成22年までのごみの減量について、非常に厳しい方向、全体として私たち同意するわけではないんですが、中には、かなり厳しい部分も含んだ方向が打ち出されてきたと。これをこのとおりに実施していこうとなってくると、先ほどもちょっとありましたが、現在の780トンというような規模を大幅に見直す必要が出てくると思いますが、その点について、再度、確認の意味でお聞かせいただきたいと思います。 83: ◯環境局長  まず第1点の、富谷町が独自処理をした場合に、規模を見直すのかということでございますが、富谷町とのごみの共同処理につきましては、先方から、方針の変更の意思ということは、私ども現在伺っておりませんので、それは仮定の話で、私が申し上げたとすれば、富谷町分として一定量を見ておりますので、これがなくなれば、当然、その分は減るという趣旨で申し上げたわけでございます。  それから、このたび、国の減量化の方針が示されたわけです。ただいま委員がおっしゃられましたように、大変厳しい内容となっておりますし、それが果たしてそのとおりできるのかどうかということにつきましては、先ほど市長も御答弁申し上げましたけれども、大変不明な点が多うございますので、現在、私どもはそれを解明いたしておるところでございます。したがいまして、その不明な点を解明しながら、詳細な検討を加えてまいりたいと思っておるところでございます。 84: ◯山脇武治委員  私どもも、まだ詳細な資料を手に入れたわけではありませんで、新聞報道を中心に議論させていただかざるを得ないんですが、リサイクル目標については、仙台市が30%に対して、それよりも低い基準になっている。しかし、これは何も低い方に合わせる必要はないわけでして、仙台市が当初計画した30%をあくまでも追求するということでいくべきだと思いますし、ダイオキシン対策としての焼却量の削減については、15%の削減ということになっております。ただし、この場合、人口の増加率について、全国平均と仙台市はいささか違うわけでありまして、その数字をそのままというわけにはいきませんけれども、全国的な数字を、仙台市の基本計画で見込んでいる増加率に振りかえてみて計算をし直してみると、大ざっぱな計算なんですけれども、平成22年度に市の見込みになっております1日排出量1,364トンというのがあるわけなんですが、政府基準をそのとおりに実施するとすれば、人口の増加を加味した場合、これが1,000トンを切ると、私の試算では993トンぐらいになるのかなと思うんですが、それで、補正係数──補正係数の中には異論がある部分が1カ所あるんですが、それはそのままにして、当局の補正係数をそのまま使って計算していきますと、1日量、他の稼働している部分を除きまして、大体540トン程度になるのではないかと思います。そうすると780トンから540トンに減ると、これは富谷の分を除いてです。その富谷の部分がもし外れるということになれば、さらに60トンに補正係数を加えたような数字がこれから引かれるということになります。政府が、燃焼の抜本的な削減の方向を打ち出したこの機会に、そういうことを背景にして、仙台市としても、それを受けて、なお一層の努力をするという方向での検討が必要じゃないかと思いますが、改めて伺いたいと思います。 85: ◯環境局長  国の減量化目標の数値は、私ども先日手に入れたわけでございまして、まだ正確な分析はいたしておりませんので、ただいま委員が申されました数値等を挙げて申し上げることは、現時点では不可能でございますけれども、先ほど申し上げましたように、十分精査をした上で検討してまいりたいと思っております。 86: ◯山脇武治委員  環境問題で仙台の実態がどうかというのは、私は大分異論もありますが、国際的に見ても先進的な都市等を追求していこうという取り組みを表明されているわけで、まさにその仙台市が全国平均あるいはそれ以下というような取り組みであっては問題外だと思います。せっかく国がこういう方向を打ち出したというわけですから、この機会に、規模の抜本的な縮小について真剣に検討すること、また、それとあわせて、1点集中型でない、分散型の方向も含めて追求していただくことを強く求めたいと思いますが、市長の御見解を伺いたいと思います。  なお、政府がこうした方向を打ち出したということは、これまでは、780トンは動かせないんだと、その規模のものをどうしてもここにつくらなければならないんだということを前提に、住民の皆さんへの説明あるいは話し合いがされてきたと思うんですが、その前提そのものをさらに市民とともに検討するという機会が来たと思いますので、そういうことを踏まえた、今後の説明会、話し合いに入っていくということが大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。 87: ◯市長  今回、政府の方での新たな対応の仕方が示されましたけれども、それも一つの要素でございますし、また、市民、行政、そして事業者全体が、仙台市全体の問題として、工場以外の、もう一つの表裏一体となる減量やリサイクル、あるいはまた分別や、そういう運動に協力を願いながら、規模の問題につきましてさらに検討するようにということを、これはまだ方針として出しているわけではございませんが、事業部局に対しまして指示をいたしておるところでございます。  なお、分散立地につきましては、小規模工場であれば、ダイオキシンそれ自体が、なお危険性が……、市全体として考えたときに、排出量が総量としてオーバーする、多くなるということもございますし、また、適地の問題もありますし、さまざまな困難な条件がございますので、今のところ考えておりません。 88: ◯山脇武治委員  今後の住民の皆さんへの説明や、この事業そのものへの着手の時期に関連する問題なんですが、この間の説明会、私は一度も出てはおらないんですが、参加した皆さん方からお聞きすると、参加した皆さん方が市の方針を十分理解して、納得して、この線で協力をしていきたいというような方向になっているとは到底言えないような状態だと。それに、今言いましたように、施設全体の規模そのものも相当の縮小もあり得るという条件の変化もあるということで、私は、改めて環境問題、ごみ問題の原点に立ち返って、文字どおり、住民の皆さんとの共同の取り組みの中から、これは何も松森周辺だけではなくて、全市民挙げて、責任を持ってこれにかかわり取り組んでいかなければならない問題でありますから、そういう立場で、説明会、懇談会といったものも持っていくというふうにぜひ取り組んでいく必要があろうかと思います。  たまたま、昨日だったでしょうか、松森のごみ問題に取り組んでおられる皆さん方が、第1次ごみ提案書「資源循環型社会を目指して」ということで、いろんなテーマ、生ごみ、選定ごみ、粗大ごみから始まりまして、プラスチック、瓶、缶、有害ごみという問題にどう取り組んでいくかと。基本的には、発生をさせない、分別を徹底する、減量するということを中心にいろいろ提言もしながら、行政の皆さんと一緒に力を合わせて取り組んでいきたいというような方向まで打ち出しているわけですから、なおさら、行政の方が方針を決めたと、それをのんでもらうための説明会ということではない取り組みをぜひ求めたいと思います。  次は、教育費に関連して2点ほどお伺いしたいと思います。  その一つは、学校施設の維持管理や修繕の問題などなんですが、本会議でも我が会派の嵯峨議員から、具体的な事例も挙げて、この取り組みの抜本的な強化を求めてまいりました。これまでの取り組みが全然だめだったなどと言うつもりはありません。予算の面から見ても、相当力を入れてきた側面もある。そのことは評価した上で、しかし、なお、現状調査をしてみますと、これは放置できない、これは急いで解決をしなければならないと思われるような施設の現状が各学校に見られると、それが率直な現状だと思っております。そういう意味で、これは急いで取り組んでいく必要があると思います。  その際、痛感したのは、一つには、今のルールですと、学校の校長先生や管理者の皆さんを初め先生方が、一定のマニュアルも持って学校の中を点検して、ここを直してほしい、ここはこうだああだというのをまとめて教育委員会の方に出して、そして、それについて手を打っていただくという仕組みになっているんですが、それにはもう限界があると思うんですね。学校のメンテナンスについて、一定のルールをきちっとつくって、例えば、私も現場を見て驚いたんですが、鉄製の支柱ですね、これは単なる見ばえをよくするものではなくて、構造物を支える支柱、かなり厚いH型の鋼です、こういうものが長期にわたって保守点検されていない。要するに、金属製のものは、何年か1回塗りかえなければならないわけですよね。そうすれば、ずっともつわけだけれども、そういうことがされていないために、完全に腐食してしまっているというような例などがあります。ですから、現場の先生たちに気がついたところをどんどん寄せていただくのは当然にしても、一定の保守点検、そしてメンテナンスをやっていくルールをきちっとつくってやっていくと。そうすれば、つくった施設は十分長く使えると思うんですが、その辺についていかがでしょうか。 89: ◯教育長  学校施設の日常的な維持修繕につきましては、身近に使用して現状をよく把握している学校側が常日ごろ点検を行いまして、教育委員会でも現場を確認した上、適宜対応していくのが適切であると考えております。  予防保全的なメンテナンスの手法につきましては、費用面等の問題もございますので、関係部局とも相談の上、今後、研究してまいりたいと考えております。 90: ◯山脇武治委員  前半の部分は、そうやるのは当然ですけれども、その結果が、実際には長期にもつはずの建築物をだめにしているという例が広範にあるようですから、現状でいいんだということではなくて、なお一歩進んだ、改善も含めての取り組みを求めたいと思います。  それから、もう一つの問題は、日の丸・君が代の問題についてです。これまでの市教委の学校現場への指導のあり方について、昨日も論議がありました。各学校の中における行事において、どういう旗を立てるとか、どの位置に掲げるとか、どの歌を歌えとか歌うなとか、あるいは歌わない生徒がいたことが問題だ、校長に対して責任を問う、あるいは指導をするというような発言にはとらわれないで、文字どおり、学校現場が、校長先生を中心に、すべての教員あるいは生徒たちの民主的な話し合いの中から、その合意のもとに運営されていくということが望ましいのであって、こういう意味では、教育委員会は毅然とした態度で学校現場の自主性を守る役割を果たすべきだと思います。その意味で、今回、法律が制定されたわけですけれども、こういうことによって、現場でさらに指導、管理が強められるというようなことがあってはならないと思いますが、これまでと基本的に変わるものでないということについて確認したいと思います。いかがでしょうか。 91: ◯教育長  国旗掲揚、国歌斉唱についてでございますけれども、法制化に伴って、これまでの学習指導要領に基づく指導に関する取り扱いが変わるものではございません。今後とも、学校における国旗掲揚、国歌斉唱に関する指導が一層適切に行われるよう、努めてまいりたいと考えております。 92: ◯山脇武治委員  学校現場に不当な圧力がかかるというようなことがないように強く要望して、終わります。 93: ◯委員長  以上で、全議案に対する総括質疑は終結いたしました。  暫時休憩いたします。               休憩 午後4時13分               再開 午後4時31分 94: ◯委員長  再開いたします。  それでは、これより付託議案の決定を行います。  決定の審査は、お手元に配付いたしております決定順序表の中の実線による区分に従って、順次行いたいと思います。また、決定に際しまして、討論、異議の有無を一々お諮りすることは省略させていただき、決定順序表に従い、順次件名を読み上げます。その際、読み上げた案件について討論のある方あるいは異議のある方は、発言を求めていただくことで審査を進めていきたいと思いますが、これに御異議ございませんか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 95: ◯委員長  御異議なしと認め、ただいまお諮りいたしました方法により審査を行います。  なお、要望事項等につきましては、付託議案の決定がすべて終了した後に、一括して確認をいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、第96号議案平成10年度仙台市一般会計・特別会計歳入歳出決算認定に関する件。  平成10年度仙台市一般会計歳入歳出決算について。 96: ◯嵯峨サダ子委員  平成10年度仙台市一般会計歳入歳出決算中、歳出第2款総務費から第4款衛生費まで、第6款農林費から第11款公債費まで、歳入第4款地方消費税交付金、第13款使用料及び手数料から第16款財産収入まで、第21款市債について異議がありますので、反対いたします。 97: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。
     歳出第2款総務費から第4款衛生費まで、第6款農林費から第11款公債費まで、歳入第4款地方消費税交付金、第13款使用料及び手数料から第16款財産収入まで、第21款市債は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 98: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  なお、残余はこれを認定することに御異議ございませんか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 99: ◯委員長  決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市都市改造事業特別会計歳入歳出決算について。 100: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 101: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 102: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算について。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 103: ◯委員長  決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市中央卸売市場事業特別会計歳入歳出決算について。 104: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 105: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 106: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算について。 107: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 108: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 109: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市駐車場事業特別会計歳入歳出決算について。 110: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 111: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 112: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市老人保健医療事業特別会計歳入歳出決算について。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 113: ◯委員長  決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市農業集落排水事業特別会計歳入歳出決算について。 114: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 115: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 116: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市公債管理特別会計歳入歳出決算について。 117: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 118: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 119: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算について。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 120: ◯委員長  決定いたしました。  次に、平成10年度仙台市新墓園事業特別会計歳入歳出決算について。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 121: ◯委員長  決定いたしました。  次に、第97号議案平成10年度仙台市下水道事業会計決算認定に関する件について。 122: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 123: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 124: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、第98号議案平成10年度仙台市自動車運送事業会計決算認定に関する件について。 125: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 126: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 127: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、第99号議案平成10年度仙台市高速鉄道事業会計決算認定に関する件について。 128: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 129: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 130: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、第100号議案平成10年度仙台市水道事業会計決算認定に関する件について。 131: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 132: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 133: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、第101号議案平成10年度仙台市ガス事業会計決算認定に関する件について。 134: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 135: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 136: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  次に、第102号議案平成10年度仙台市病院事業会計決算認定に関する件について。 137: ◯花木則彰委員  異議がありますので、反対いたします。 138: ◯委員長  異議がありますので、起立により採決いたします。  本件は、これを認定することに賛成の諸君の起立を求めます。                 〔賛成者起立〕 139: ◯委員長  起立多数でありますので、決定いたしました。  以上で、全議案に対する決定を終了いたしました。  この際、要望事項等がございましたらお願いいたしたいと思いますが、ございませんか。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 140: ◯委員長  なければ、以上で、本特別委員会に付託を受けました全議案に対する審査を終了いたしました。  お諮りいたします。ただいま審査を終了いたしました案件につきましての委員長報告は、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。             〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 141: ◯委員長  それでは、そのようにさせていただきます。  これをもって決算等審査特別委員会を閉会いたします。...